15年ほどサービス業をしてきた中で、やりがいはあるけど、悩みが尽きない仕事No1が【人材育成】でした。
- バイト教育のコツがあれば知りたい
- 自分の教え方が正しいのか分からない、自信が持てない
- バイトの子すぐに辞めちゃったけど何が悪かったんだろう
と、毎日悩み、沢山失敗して見つけた答えのうちの一つ。それは、
【雑談すれば新人教育はグッと変わる】ということ。
「新人教育が上手いな」と思った人を観察してみると、みんな雑談が上手いんですよね。
それを意識してみた結果「あぁ、これが基本だったのか」と手応えがあったのを今でも覚えています。
ということで、この記事では、新人教育に自信が持てなくて不安に思う気持ちを解決するためのヒントを紹介いたします。
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雑談はコミュニケーションの潤滑油
新人教育の基本は【はじめに新人バイトさんと信頼関係を作る】ということ。
そして最も重要なのが【仕事に対する価値観】を理解すること。
コミュニケーションをとりながら信頼関係を築き、どんな価値観で仕事をするタイプなのかを推測することが、新人教育のコツなんです。
人は自分にとって受け入れやすい情報を無意識に選んでいます。
「あ、この人は自分のことをわかってくれてるな」と感じれる人と、そうでない人。
どちらの話を聞きたいかは、わかりますよね?
雑談は、この目的を達成するための有効なツールになります。
では、価値観を理解しないまま【マニュアル通りの教育】をするとどうなるか?
僕自身が経験した失敗例を紹介します。
新人教育での失敗談
失敗例①:新人だけど経験者。頑張って教えるほどに逆効果
その新人バイトさんは、レストランのホールスタッフ経験がある子でした。
はじめはニコニコと、サービス業経験者ならではの愛想の良さで受け答えしてくれていたんです……が、しばらく日が経つと、だんだん表情に陰りが……
人伝いに聞いたところによると「自分は信用されていない」と本人が言っていたとのこと。
経験者だし即戦力だなぁって思っていた僕はびっくり。
どうやら、接客の基本指導を続けていたことが、サービス業経験者としてのプライドに触れてしまっていたようです。
今になって思えば、会話の端々に【接客には自信がある】という価値観が見えるタイプの子だったので、もっと自由にやってみてもらえば良かったな……と、反省しています。
失敗例②:頭がいい子ほど上手く手を抜く
その新人さんは、物覚えがよく、他の子に比べて早くマニュアルを覚えてくれました。
「今回は楽に終わりそうだな」と思って安心していたのですが、数日経ってよくよく見ているとある違和感が。
基本的に何かしら仕事をしてくれてはいるんです。
してくれてはいるんですが、少しゆっくりなスピードで、体力を使わない単純作業を見つけながら仕事をしていたんです。
サボっているわけでもない。かと言って注意しなければいけないほどダラダラしているわけでもない。
何とも絶妙な手の抜き方……
他のスタッフさんが走り回るなか、一人だけ涼しい顔で、だんだんと他のスタッフさんの空気が悪くなる……
このままじゃヤバイ……と思いつつも、中々いい声かけが浮かんでこないんです。
モンモンと悩んでいると横から「今はそれより料理提供優先して~」と先輩スタッフさんが一言。
一瞬めんどくさそうな表情を浮かべたものの、指示に従う新人さん。
先輩スタッフさんに聞いてみると「言えばちゃんと動く子だから」とのこと。
きっとその子の価値観は【波風を立てずに楽にバイトをしたい】といった感じだったんでしょう。
これも価値観を理解していなかった故に、適切な判断が遅れた、新人教育の失敗例ですね。
失敗例③:新人バイトさんはメンタルが弱い?
新人さんは基本的に右も左も分からず不安を抱えています。
中でも責任感の強い子ほどプレッシャーに弱く、教えるスピードが速すぎると心がポッキリといきやすいんですね。
慣れた自分にとっては難しくないことも、自分にとっては知っていて当たり前のことも、新人さんにとっては理解が追い付かない。
言われたことができない自分に自信が持てず、いつまでも新人さんが成長しない……という失敗例。
特に責め立てたり、焦らせたりしたつもりはなくても、本人にとってはプレッシャーだったようで、申し訳なかったです。
いつも不安そうな顔をしていないかなど、相手の反応をしっかり見て、フォローすることが大切です。
また、メンタルが弱いと思っていたけど、実は違うことが原因だった……なんてこともあります。
このあたりは別記事にてご紹介いたします。
別記事:「新人さんのメンタルが弱い」は勘違い?本当の理由と対策
雑談以外に新人教育で必要なものは?
ここまで読み進めて「雑談だけで本当に上手くいくの?他に必要なこととかないの?」と不安に思うかもしれません。
確かに雑談だけで新人教育が全て上手くいくわけではありません。
しかも、場合によっては「ずっと喋ってサボってるんじゃないか?」なんて他のスタッフさんに思われる可能性も0ではないでしょう。
ですが、雑談がなければ新人教育の効果はかなり低くなります。
しっかり価値観を意識して接するだけでも、教え方はグッと変わります。
まずは雑談からのスタートでOK。
もっと具体的な指導スキルを知りたい方にはコーチングがおススメです。
別記事で詳しく紹介していますので、育成方法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
参考:スタッフの能力を引き出すスキル『コーチング』【現場経験15年の集大成】
人の価値観を知れば教育効果は劇的に変わる
整理すると、新人教育で大切なステップは次の3つです。
- 信頼関係を築く
- 仕事に対する価値観を理解する
- 価値観を理解した上で、その人に合った教育を行う
そして、このステップを達成するために、まずは簡単な雑談からスタートすることをおススメします。
気軽に一度ためしてみてください。
【対処法】新人教育に自信が持てない
最後に経験談ですが、自分に自信を持てない大きな原因は経験不足と勉強不足な場合がほとんどです。
経験不足は、年数を重ねる他ないですが、勉強はいつでも可能です。
店長を任されたばかりの自分の心の支えは、沢山の本を読んで「自分はこんなに頑張っている」という実感と自信。
お金がない駆け出しの店長時代は、タダで本が読めるので、連日図書館のお世話になっていました(まぁ、今お金があるわけでもありませんが笑)
最後に話がまったく反対方向に向きますが、人の教育という部分において絶対的な正解はありません。
責任感が強い人ほど完璧を目指して、いずれ自分を追い込むことになります。
冷たく聞こえるかもしれませんが、自分なりに考えて、教えて、それでも伝わらなかったら「あぁ、この人とは仕事に対する価値観が合わなかったんだな」と諦めてください。
自分の心を守ることは最も重要な仕事の一つです。
新人教育は他人に愚痴れないことも沢山あるので、無理しないでくださいね。
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