接客していて「なんかうまくいかないな……」と感じたことはありますか?
これは接客初心者から経験者の人まで経験する『レベルアップする前にぶつかる壁』です。
この悩みは接客に真剣に取り組んでいる人しか感じられないもの。
言い換えれば、接客業界で働く才能がないとたどり着けない悩みです。
接客が上手い人は同じように悩み、原因を考え、改善することで接客の質を磨いてきたからこそ、高いレベルに至っています。
この記事では、「接客がうまくいかない」と感じる原因と、壁を乗り越えるヒントを接客歴15年の視点から紹介します。
「接客がうまくいかない」と感じるタイミングは3つ
「接客がうまくいかない」と悩むタイミングは大きく3つに分かれます。
- 接客に慣れていない時期
- 接客に慣れた時期
- 成約・販売など一歩踏み込んだ接客が必要な時期
順番に原因・対策方法を紹介していきますので「基本部分は分かっているから良い」という方は次の章を読み飛ばしてもOKです。
それでは基本的な部分から詳しく紹介します。
接客初心者が「うまくいかない」と感じる3つのステップ
接客初心者の多くが「うまくいかない」と感じる原因は3つのステップに分かれます。
- 間違えた先入観を持っている
- 基本の接客テクニックや知識を知らない
- 自信が足りない
結論、自信が足りないから、実力が発揮できていないことがほとんどです。
ではどうすれば自信が持てるのか。
それは「間違えた先入観」を捨て、「基本の接客テクニックや知識」を知ることが一番の近道です。
それでは順番に紹介していきます。
自信を失う『間違えた先入観』とは
接客業で働きはじめた人の多くが持つ『間違えた先入観』。
それは「全て完璧にできないといけない」と思ってしまっていること。
完璧な笑顔、完璧な受け答え、完璧なオペレーション……もちろん理想です。
ですが、そんなことが不慣れな頃からできる訳がありません。
分からないことは分からないと言っていいし、言葉遣いに自信がないなら笑顔でカバーすればいいんです。
最初はできなくて当たり前のことを、できない自分が悪いかのように思い込むのは、自信を持つ機会を失う悪いループの入り口。
笑顔もできない、要領も悪い、姿勢も悪い、言葉遣いもしらない、人見知り……そんな人間(私のことです)でも、一つずつクリアしていくことで気づけば15年も接客業をしていました。
他者と比べず、あせらず、一歩ずつ成長していきましょう。
では、次にどんな成長ステップが自信を持つ近道になるのか紹介していきます。
接客の基本テクニックや知識は自信に繋がる
接客の時に緊張する、恥ずかしくなる、あせってパニックになる……というのは、接客初心者あるあるです。
これらは、接客の基本テクニックを知ることで、大幅に改善します。
- 笑顔を作るコツ
- 綺麗な立ち姿や動き方
- リアクションのポイント
- トークのコツ
- 清潔感のある身だしなみ
などなど、深堀していくとかなりのボリュームになってしまうので、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください>>接客が上手い人が使う『人たらしな接客術』10のポイント!
また、自分が働くお店のことを深く知るのも自信に繋がる良い方法です。
仕事の合間や休憩時間にHPを見たり、店内を歩いてみたり、メニュー表を見てみたり、自分がお客様になった気持ちで見てみましょう。
お店の知識があれば、お客様の質問に答えることができます。
質問に答えることができれば、お客様も満足するし、自分も自信が持てるし、良いことづくめ。
やって損はないので、ぜひ試してみてください。
テクニック不要。今日からできる自信の持ち方
いきなり結論ですが『清潔感ある行動を心がける』ことは自信に繋がるお手軽な方法です。
整形をしろとか、オシャレになれ、という話ではありません。
- 出勤前に頭を必ず洗って整える
- 出勤前に歯を磨く
- 眉毛を普段から整える
- 洗顔や保湿など肌の状態を整える
- 体臭に気を遣う
- 制服や私服にアイロンがけをする
- ハンカチやティッシュなどを持つ
- 身の回りを綺麗にしておく
などに気を遣うことを意識してみてください。
普段からできている人からすれば「何を当たり前のことを?」と思うかもしれませんが、こういった部分が苦手な人も多いんです。
接客業の中でも、美容やファッションで働く人は自信たっぷりに見える人が多いのは、そういった部分で努力できていることも要因の一つでしょう。
私自身の体験談でもあるのですが、自分の外見に自信がないことで、基本的な自尊心が足りていないこともあります。
自分の外見に関わる部分に「自分なんかが頑張っても見苦しく思われるんじゃないか?」という不安から、消極的になっていました。
オシャレになったわけでも、イケメンになったわけでもありませんが、清潔感を意識して行動できるようになると、「自分は努力をしている」という実績が、自信に繋がりました。
すぐにでも始められることなので、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください>>身だしなみで接客の質は大きく変わる。自信に繋がる『見た目の整備術』とは
接客業には慣れたけど上手くなった実感がない原因とは
「それなりに接客業で働いてみたけど、接客が上手くなった実感が持てない」
と、働き始めてある程度経ったあたりで思うことがあります。
その原因として多いのは『マニュアル接客から脱出できていない』こと。
マニュアル接客とは、
- 基本の挨拶はするけど日常会話はしない
- マニュアルにある対応はするけどプラスワンの行動はしない
- 笑顔はできるけど作り笑顔
といったものです。
お客様目線でみると「普通の店員さん」という評価でしょう。
普通の店員さんで、もちろん十分です。
十分ですがそれより先に行ってみたいなら、少し細かな接客テクニックを使ってみるようにしてみましょう。
あいづちのやり方、テンションの合わせ方、声のトーン調整など、他の人が意識していない部分まで意識することで、接客の質は大きく変わります。
このあたりはボリュームが増えるので、以下の別記事を参考にしてみてください。
・『あいづち』の種類で接客は変わる!本当は知られたくない裏テクニック
・【接客レベル激変】ミラーリング効果を使った上級テクニックとは?
・接客上級者は「声のトーン」で人を魅了する!変化自在な魅惑の声色とは
・接客の基本『言い回しスキル』とは?お客様と気持ちがつながるポイント紹介
『成約』『販売』など一歩踏み込んだ接客がうまくいかない原因
お客様を『おもてなし』するための接客より一歩先の接客。
それは成約や販売がノルマとなる接客。
これは、接客という枠を超えて営業というカテゴリーです。
営業の場合は少し特殊な技術が必要です。
ここで「接客がうまくいかない」と悩んでいる人は、以下のポイントを意識してみましょう。
- お客様のタイプを見極める:声掛けしても人か、放置していて欲しい人か
- 声を掛けるタイミング:キョロキョロ周りを見ている時、似たような商品に興味を持っている時など、プロの助けを求めているであろう時に声掛けする
- 話しを聞く:自分が話すことより、話してもらうことを意識する。そこから要望を理解する。
- 本当の要望を見極める:本当に求めているものは何か考察する(例:シャーペンを探している人は、シャーペンが欲しいのではなく、文字を書く道具が欲しい。もっと詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください>>接客上手は『5W1H』でニーズを引き出す!信頼される5つのポイント)
- クロージング:購入の意思決定をさせるための重要テクニック。これは別サイトさんですがこちらの記事がとても分かりやすく参考になったので紹介します>>そらブログ様:「販売員必見!!」クロージングとは接客販売において基本であり奥義となる
お客様に購入していただくというのは、なかなか簡単なことではありません。
ですが、販売が上手な人は色々な部分で気づかれないようなテクニックを使っているものです。
ぜひ参考にしてみてください。
「接客がうまくいかない」という感覚はずっと持っていて良い
接客に完璧な正解はありません。
どこかしらに「もっとこうすればよかった」という部分があるものです。
接客がうまくいかないと感じる=改善の余地に気づけている……ということ。
自信を失わない程度に、常に改善点を探してアップデートできる人が、接客業界で輝ける一握りの人材になれます。
ここまで読んでくださっている時点で、アナタは接客の素質がある方です。
自信を持って接客を楽しんでみてくださいね。
コメント
寿司屋で職人をしています。
この前常連のお客様に予約の電話対応したのはあなただろすぐわかった、接客に愛がない、まぁー〇〇さんありがとうございます!くらい言わないと自分は職人ですって感じなんだろと言われました。
泣きそうになりましたがなんとか押さえましたが。
カウンター仕事なのに接客がうまくなく人が苦手です。
ただ寿司が好きなだけで頑張ってきましたが他の職人たちは話が上手くあなたじゃないと無理だわとよくお客様から言われたりしてそれを横で見るのも辛いです。
コメントありがとうございます。
また、辛い気持ちを教えてくれてありがとうございます。
寿司職人という厳しい世界で頑張りながら、接客の質まで求められるというのは、大変なプレッシャーですよね。
お客様からの言葉、他の職人さんと自分を比べてしまった時のつらい気持ち、分かります。
アドバイスと言うとおこがましいんですが、自信を失わないようにしていただけると嬉しいです。
寿司職人としてカウンターに立てれているという時点で、真弓さんが今まで大変な努力をしてきた証拠だと思います。
それに対して「接客」は全く別のジャンルなので……
特に電話対応は対面での接客に比べて、笑顔や動きが見えない分、慣れていないと良い印象を伝えづらいです。
「対面接客が上手なのに電話接客の時にクレームをもらう」というスタッフさんもいたりします。
カウンタータイプで予約を受けるようなお寿司屋さんとなると、お客様も一般的な接客ではなく「常連様」が多い世界かと思います。
今回のように厳しい言葉を伝えてくるお客様は「自分を特別扱いして欲しい」というタイプと「私がこの子を育ててあげなきゃ」というタイプが多いです。
こういったタイプの場合は、
・お客様のことを覚える(名前、好み、いつも頼むもの等)
・相手を色々教えてくれる真弓さんの先生だと思って接する(「勉強になります、ありがとうございます」と言った返事で対応をする)
・その人だけを特別扱いするくらいの気持ちで接する
といった接し方を意識してみると経験上上手くいくことが多かったです。
まずは一人だけでいいので、常連様で「あ、この人好きだな」と思える人を決めて、その人のことを深く分析して、その人から「笑顔」を引き出すことに全力を注ぐのは良い練習になると思います。
いきなり全ての人に良い接客をできるようになろうと思わなくて大丈夫です。
真弓さんには真弓さんに合ったペースがあります。
きっと今はつらい時期だと思うので、気持ちの余裕が持ちにくいかもしれませんが、もし「もっと具体的に接客のこの部分をこうしたい」といったことがあれば、気軽に相談してください。
もちろん愚痴だけでもOKです。
最後に寿司好きの一市民として……大好きな寿司業界を支えてくださってありがとうございます。