- バイトさんがどんどん辞めていく
- ベテランスタッフさんも限界で辞めていく
- 接客の質が下がってクレームが増える
この地獄のような1~3をループし始めた店舗に「どうにかしてこい」と配属された時のお話です。
スタッフさんがどんどんやめていく……店舗責任者にとっては恐怖でしかない現象。
- なぜ人が辞めていくのか
- どうすれば人が辞めないのか
- どうすれば人が長く働いてくれるのか
と悩み続けて奔走した3年間の記録をぎゅっと凝縮してお送りいたします(笑)
突如異動となった現場とは
スタッフが総勢100名ほどのお店で、オープンして2年。
私が異動となった時にはオープン時にいた社員が全員いなくなっていました。
責任者も、現場スタッフさんも、8割が新人さん。
残り2割の残ったスタッフさんがオープンからのノウハウを頑張って継承してくれていたから何とか現場が回っているという過酷な状況でした。
接客業の場合は不満の原因はスタッフの関係性がほとんど。だけど……
それだけ人がどんどん辞めるということは何か大きな原因があるはず。
接客業の場合、人間関係が原因で人が辞めていくというパターンがほとんど。
もちろん中には業務のキツさに対して時給が安いというパターンもありますが、人間関係が良好だと意外と人は辞めないことが多いんですよね。
ということで残っている人にそれとなくヒアリングしてみると、一人の人物名がやたらと出る。
まぁ、よくある裏ボス的な存在です。
「あの人は他人に立派な文句は言うが自分は何もしない。だから人が辞める」
多くの人がそう教えてくれました。
でも、実はそれが本当の理由ではなかったんです。
「え?辞める原因ってそれ?」予想外の原因とは
「どうせ辞めるなら不満を全部ぶちまけてから辞めてやる!」
……と、言う人は何人も見てきましたが、辞める『本当の理由』を伝えてくれる人は、結構いないんですよね。
というのも、辞める人の多くは裏ボスに不満を持っていましたが、よくよく話を聞いてみると……
裏ボスに対抗すべく団結したスタッフさんグループに馴染めずに疲弊したことが辞める理由であることが判明したんです。
チーム内で温度差があり過ぎるとついていけなくなる人がいる
裏ボスの対抗グループはヤル気と高いモチベーションを持っており、お店を支えてくれている重要な人たちばかり。
誰かを辞めさせようという気持ちは一切なく、裏ボスに負けないようにみんなで頑張ろう!といった感じのグループです。
ただ、ヤル気が高いがゆえに、モチベーションの低いスタッフさんに対する教え方がキツ目になってしまうこともしばしば。
そして裏ボスにも対抗グループにも馴染めなくなったスタッフさんが辞める。結果、
- 裏ボスのように目立ってキツい人に対する不満は言える
- ヤル気が高い人達に自分がついていけないとは言えない
と、辞める本当の理由に気づくのに時間がかかることに。
ヤル気があるのは間違いなく良いことです。
ただ、温度差があり過ぎる場合は、うまく馴染めるように工夫が必要という良い教訓になりました。
仕事を続けてもらうために必要なモチベーションの作り方
原因がある程度わかった時点で私がしたこと。
それはスタッフさん全員に対する『個人面談の定期実施』でした。
なぜ時間のかかる個人面談が必要なのか?
それは、不安や不満がぶつけやすい責任者の存在が必要と思ったからです。
そのためには、私を知ってもらう。そして相手を知る必要がある。
だから個人面談の定期実施を行いました。
結論:人を一番に考えた組織づくり
スタッフさん一人一人とコミュニケーションを密にとることで、以前に比べて人が辞める勢いは減りました。
もちろん、私だけの力ではなく、面談時に状況を主要メンバーに伝え、協力してもらえたことが大きな要因です。
そしてもう一つの大きな要因はチームを組織化したこと。
私からのトップダウンだけでは100人のチームは上手く機能しないので(笑)
各部門にリーダー的立ち位置を用意し、各リーダーにはコーチングスキルなどを伝えていきました(コーチングに関する詳細はこちらの記事をどうぞ⇒部下の能力を引き出すスキル『コーチング』【現場経験15年の集大成】)
まぁ……結論ここまでしても、結局人は辞めていきます。
辞められるたびに傷付くし、メンタルはやられます。
もうこれは責任者は逃れられない運命です。
ただ、その重圧を理解してくれるチームができあがれば、心の負担は軽くなるんだなと実感できた3年間でした。
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