飲食店で働いていれば誰しもが通る道(と、私は思いたい)。
それは『オーダーミス』。
オーダーミスは最終的に責任者にとっても評価に繋がる問題で、いかに防ぐかは永遠の課題ですよねぇ。
じゃあ、どうやったら防げるのか?
接客業を真面目に頑張っている責任者の人ほど「しっかりスタッフを指導しなきゃ!」と思い勝ちです。
もちろんそれが正解です!……が、ちょっと待ってくださいね。
ホントにそれでぜんぶ解決しますか?
根性論や努力でも解決できなくはないですが、育ったスタッフがやめてしまえばそれまで。
またオーダーミスの嵐です(言い過ぎ)
もしアナタの店で「オーダーミス」が頻発しているのであれば、それはスタッフさんだけの問題ではなく「お店のシステム」に問題がある……かも?
ということで、今回の記事では接客歴15年の経験をもとに、お金をかけなくてもできる解決方も含めながら説明していくので、ぜひ参考にしてみてください。
対策1:メニュー数を絞ってオペレーションをシンプルに!
極端な例ですが、
- しょう油ラーメンだけ売っているお店
- 日本全国のご当地ラーメン全種類売っているお店
どっちの方がオペレーションがシンプルかつミスが少ないか。
聞くまでもなく前者ですよね。
「お客様に選ぶ楽しみを」という志を否定するつもりは毛頭ありませんがスタッフオペレーションに負荷がかかり過ぎるのであれば見直しても良いんじゃないかなぁ……と私は思います。
- 「これが絶対おすすめ!」という名物メニューを磨き上げる労力
- 沢山のメニューを開発する労力
どちらがコスパが良いか考えてみるのもの改善の第一歩です。
対策2:メニュー名をひと工夫!聞き違いを無くせ!
またラーメン屋さんを例にしちゃいますが、
- 豚骨ラーメンと豚骨しょう油ラーメン
- 白ラーメンと赤ラーメン
どちらの方が聞き取り間違えやすいか……って、もう前者ですよねぇ。
ちょっとした工夫ですがメニュー名を見直すことで、聞き取り間違いが減ってオーダーミスの確立はグンと下がります。
あんまり突拍子もない商品名だと余計に混乱するかもしれませんが、上手く名付けれれば、ちょっとしたお店の色も出せれるので割とおススメな方法ですよ。
対策3:ガタが来た端末は撤去!スタッフさんのイライラ悪循環にさよなら
ハンディって便利ですよねぇ。
その場で在庫が見れたりメニュー全部覚えてなくても画面から探せばオーダーできるし。うん。
ただ、ちょっと端末代が高いのが責任者泣かせ……。
「ちょっと反応悪いし買いなおそうぜ!」と軽々しくも言えない……
でもハンディの反応が悪いとスタッフさんがイライラして焦った結果、オーダーミスが起きて余計にイライラ……という悪循環も。
そんな時はいっそのこと手書きにしてしまうのもアリ。
お店の規模が大きくない場合は手書きでも十分回せることもあります。
反応が悪い端末を無理に使うより手書きの方が早くてストレスも少ない。
私自身、手書きでオーダーを聞いて、キッチン内でレジシステムに登録するというやり方をしていたことも過去にあるので、方法の一つとして参考にしてみてくださいね。
対策4:まぁ、お金をかけるのも選択肢の一つ。実際使って便利だったツール
お金をかければそりゃ便利になりますよね。
ただ、お店に合わなかったり使いこなせなかったら投資額ほどの価値が生めないこともチラホラ。
今までで「あ、失敗したな」と感じたオーダーシステム
- 複雑すぎたPOS連携タイプのハンディシステム
まぁ、これは完全に私の能力不足!
使いこなせなかった!(笑)
しかもいろんな機能が付いている分お値段が高かった……
身の丈を知ってから検討するべきでした。てへぺろ。
今のところ導入してみてメリットあったオーダーシステム
- セルフオーダーシステム
- QRオーダーシステム
iPadでお客様が自分でオーダーできるセルフオーダーシステムは、だいぶスタッフさんの負担も減ってよかったですね。
ただ導入にお金が結構かかるので、売上規模が大きいお店じゃないと回収がキツイかも。
次に、お客様ご自身のスマホからオーダー&決済してもらうQRオーダーシステムは、導入コストがほとんどかからなくて、スタートしやすかったですね。
あと、地方ならではですが、QRオーダーシステムを導入しているお店が周りになくて、導入時にプレスリリースを配信したら、ローカルメディアさんが取材に来てくれたので無料の宣伝効果もありました(笑)。
対策5:他にも解決の糸口はある!解決の糸口をつかむ方法とは?
飲食店の責任者をしていて本当に辛かったのが、
「改善策はなんとなく頭にあるけど、いざ行動に移す心の余裕がない」
と言う状況。
とにかく一歩目が重いんですよね……
そして10年以上働いてきてやっと気づけたこと。それは、
「とりあえず専門家に話を振ってみる」のが一番近道になるということ。
営業の話に耳を傾けてみたり、とりあえず無料の資料請求をしてみたりして、担当者と話をすることで、新しく解決策が見つかったり、後押しをサポートしてくれることが助けになったりします。
なにより「自分は解決に向けて動いている」という実感が焦りを消してくれる回復薬になるんですよね。
後回しにするほど問題意識は薄れて、行動に移せず、最終的には会社から「責任者としての責任が果たせれていない」なんて評価を受ける人も少なくありません。
まぁ、こんな記事をここまで読んでくれている時点で、アナタはそんな人材ではないと思いますが、頑張って解決したいですね!
どうやったら解決に向けた一歩を踏み出せるか
結論、一番簡単なのは興味のあるシステム会社に問い合わせてみること。
「問い合わせなんかしたら変に売り込まれて面倒くさいんじゃないか?」
と、私自身思っていましたが、ひと昔前みたいに「何が何でも売り込んでやる」という営業スタイルの人には、ほとんど会ったことはなく、親身になって解決方法を一緒に探してくれる人の方が圧倒的に多いです。
そうじゃないと顧客の信用も得られないし、無理に売り込んでも口コミとかで悪評書かれて終わりなので旧時代の営業スタイルの人は、ほとんどいないんじゃないかなと……
営業の人は、この道のプロ。言い換えれば無料でコンサルティングアドバイスを受けれるようなものなんですよね(営業の人には怒られるかもしれませんが……)
アドバイスを受けるのは無料だし、デメリットと言えば……うーん、まぁ、どこの会社に問い合わせるのかを探す手間くらい……かなと。
導入するにしてもハードルが低いところだったら↓のようなQRオーダーシステムもありですね。
この問い合わせという最初の一歩目を踏み出せるか否かで、会社からの評価は変わると言っても過言では……
……ありますが、それくらいの気持ちを持てば、解決に向かう一歩目は踏み出しやすいと思います(笑)
オーダーミスはお客様が原因の場合もある
そもそもオーダーミスはスタッフさんだけが問題なのではなく、お客様のミスであることも少なくないですよね。
「Aだと思っていたのに間違えてBを注文した」なんてよくあること。
そして接客業の悲しいところは、どちらのミスか分からないけど店員がまず謝るもの……という風習。
スタッフさんからすれば「え?あなたが間違えてますよね?」って思ってても口に出せず、モヤっとした気持ちを抱えたことに。
こういったお客様の失敗によるオーダーミスはスタッフさんのモチベーションに直結するので、できる限り今回紹介した対策を導入してみた方がいいと……手前味噌ですが思います。
【朗報】オーダーミスは『謝り方』でチャンスにもなる
人間が対応する以上オーダーミスは、必ず……必ず起きます。だって人だもの。
なのでミスは仕方ありません。
大事なのはオーダーミスがあった時に、どうお客様に対応するかです。
ということでオーダーミスから超リピーターに繋がった実体験を一つ紹介します。
ちょっと怒りっぽいおじい様が週5で通うリピーターに
それはある平日の夕方のことでした。
私が当時マネージャーをしていたレストランで、スタッフさんがオーダーミスでドリンクが提供できておらず、一人のおじい様が激怒していたんです。
スタッフさんもどうすればいいのか分からず私にヘルプ。私も怖くて涙目。
「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだダメだ逃げよう」
ということで私は、ペコペコ侍になることを決意。
お客様にまずはひたすら謝るというスタンスで対応をスタートしました。
謝り倒してお怒りをぶつけきっていただいき、最後には「もういいよ、とりあえず早くビールもってきて」と一言。
お酒を取りにキッチンへ行く私。
「……あ、そういえば前にも日本酒が少ないってクレームがあったおじい様だ。あの人」
と、突如思い出した私。
ただビールを出して終わりというのもアレだな……と思った私は、お食事の進み具合を見て、ビールが飲み終わったあたりで以前クレームになった時の日本酒をサービスとして出したんです。
すると少し驚いたようなリアクションとニヒルな笑顔で「よー覚えとったなぁ」という一言をくれたおじい様。
それ以来、ほぼ毎日来てくれるようになって、入り口でおじい様の姿が見えたら生ビールと日本酒をセットで用意するのがお店のルールに。
間違えれば怒るけど、ちゃんと接すれば優しさを傾けてくれる、そんな漢気溢れるおじい様のお話でした。
とはいえ、これは極端な成功例
これは本当~~~に、たまたま上手くいった例です。
そもそもオーダーミスなんてないに越したことはありません。
- オーダーミスを起こさないための環境整備
- オーダーミスを起こさないためのスタッフ教育
- オーダーミスが起きたあと対応力
この3つの同時進行が基本で、なにより責任者が行動に移す一歩目が超重要です。
受け売りですが「はじめの一歩目は、その道のりの70%以上の価値がある」という言葉を聞きました。
ぜひ一歩目を踏み出してみてくださいね。
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