部下の能力を引き出すスキル『コーチング』【現場経験15年の実践例】

  • 部下の能力を最大限に引き出したい
  • 部下とコミュニケーションを上手くとりたい
  • 部下が辞めてしまう

これらの悩みは『具体的な指導方法を知る』ことで解決できます。


この記事では会話例も含めながら、人材の育成スキル「コーチング」を独学で習得してきた方法を具体的に紹介していきます。


コーチングが身につくまでは業務の引継ぎが上手くいかず、部下の実力を活かしてあげることができませんでした。


なによりスタッフが辞めていく……これが一番つらかったです。


ただ苦労した分、学びも多かったので、出来る限りわかりやすく説明をしていきますね。


15年ほど店長・マネージャーとして働いて体得してきた「コーチングスキル」が誰かの役に立てると嬉しいです。

コーチングとは「自分と相手を育てる」スキル

まずコーチングとは、

  • 人の育て方を理論的に理解する
  • 自分の感情をコントロールする

大きく分けると、この2点を極めていくスキルです(あくまで僕個人の実感ですが)


少し話がそれますが、理想のリーダーとして有名な山本五十六さんのお言葉で、

”やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。”
”話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。”
”やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。”

と、いうものがありますが、コーチングの基本はここに詰まっていると思います。


この言葉を意識しながら読み進めていただけると分かりやすいので、ぜひ覚えておいてください。

ビジネスにおけるコーチングスキルのメリット・デメリット

ビジネスにおいてコーチングを身につけるメリットは、

  • スタッフが働きやすく辞めにくい環境が作れる
  • チームの生産性が上がる
  • 部下が自立し自分の業務負担が減る
  • 伝え方のコツがわかりコミュニケーションストレスが減る

などと、ちょっと怪しいくらいに良いこと尽くめ。


逆にデメリットは、

  • 使うタイミングを覚えるのが難しい

というのが唯一のデメリットかと思うのですが、ここが非常に重要なんです。


なぜなら、状況によってコーチングを行うベストなタイミングが違うので、知識だけでなく、実践と経験が必要になるからです。


実際に手応えを感じるまで僕は1年ほどかかりました。


というのも、知識だけでは上手く活用できなかったんです。


ここをしっかり意識しておくと、失敗しにくいので、ぜひ覚えておいてください。

コーチングを覚えるための3つのステップ

コーチングは一度身に付けてしまえば、あらゆる場面で一生使えるスキルです。


少し長い説明になりますが、ゆっくり読めば理解できるように紹介していきますので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。


それではコーチングを覚えるための方法を3つのステップに分けて紹介していきます。

ステップ①:相手の「人間性とレベル感」を理解する

コーチングをする上で必要なことは、相手の人間性とレベル感を理解することです。


極端な例ですが赤ちゃんに「言葉で説明して」なんて言う人はいませんよね?


相手によって指導方法を調整するのがコーチングの基本。


そのためには、まずしっかりと相手の言葉を「聴く」ことが重要です。


そして聴いた内容から、相手のことを分析していきます(この時に会話術のコツがあるので、記事の最後に補足で紹介します)


実体験をもとに紹介すると、

  • 飲食店
  • 次期店長候補
  • 勤続1年

という部下との日常会話を通じて「こんな感じの子かな」という分析をしました。

  • 向上心があり、仕事にやりがいを感じている
  • まだ若く少し頭の固いところがあり、不快感が表情に出やすい
  • 傷つきやすく、引っ込み思案なところがある
  • 接客業務は大体できているが、事務作業は未経験

多いとややこしくなるので、少し絞っています。


また、注意点として、この分析はあくまでも「仮定」ということを忘れないことが大切です。


決めつけてしまうと、自分の視野がせまくなり、正しい判断ができなることも。


コーチングでは自分の考え方を柔軟に変えていく必要があるので、意識しておいてください。


ということで、ここまで来たら次のステップへ進みます。

ステップ②:能力を引き出す「問いかけ」をする

「指示がないと動けない人材」と「指示がなくても必要に応じて動ける人材」。


あなたに必要な部下は後者ではないでしょうか。


指示がなくても動ける人材に必要な能力は「自分で考える能力」です。


考えるクセを身に付けるためには、色々な場面で「なぜ?なんで?」を繰り返すことが重要。


コーチングでは個々で考える力を伸ばすことに重点をおいた指導をして、部下の能力を引き出します


それでは先ほどの例を使って説明します。

  • 向上心があり、仕事にやりがいを感じている
  • まだ若く少し頭の固いところがあり、不快感が表情に出やすい
  • 傷つきやすく、引っ込み思案なところがある
  • 接客業務は大体できているが、事務作業は未経験

このレベル感なら、基本的には「やらせてみる」でいいと思います。


また、人間性からみて指導時に「肯定から入る」というのもポイントの一つ。


「事務作業を教える」という部分を切り取って流れを書くと、

  1. 基本的な事務作業のやり方を説明する
  2. 初回は付いて教えて、次回以降は任せる
  3. できている部分から伝え、できていない部分に対するアドバイスを行う
  4. アドバイスを行う時に「なぜこうするか分かる?」と問いかける
  5. 相手の答えが合っていれば褒める
  6. 間違えていたら「なるほど」と一度相手の意見を受け入れた上で正しい答えを伝える

といった感じで指導しました。


4番の部分が重要で、自分がやっていることの理由を理解することで、仕事の質も変わり、考える機会が増えることで「考えるクセ」が徐々につきます。


また、誉める(認める)ことで、自信がつき、モチベーションアップの効果もあります。


ちょっとしたテクニックで、おすすめなのが「簡単な相談を持ち掛ける」という方法


会話例を含めて紹介します。

部下の能力を引き出す「相談」テクニック

このテクニックでは【一緒に考える】ということがキーワードになります。


さっそくですが会話例を見てみましょう。

このコンテンツの売上が落ちてきてるなぁ……うーん、ねぇA君。なんでだと思う?

え? そうですね……自分は正直ちょっと高いんでこのコンテンツは使わないですかね

高いかぁ……試しにキャンペーンでもやったら売れるかな?

うーん、どうでしょうか。タダとかだったら使うかもしれません(笑)

タダはキツイなぁ(笑)。ってことはA君みたいなタイプの子をターゲットにしたら売れないってことかな?

そうですね。これなら自分とかじゃなくて、50代後半くらいの女性をターゲットにした方が売れるかも……

え、なんで50代の女性? 若者向けに売り出してるコンテンツだよねこれ

僕の母が割と好きなんですよ。こういうの

へぇー、なるほどね。それならターゲットを変えて売り出してみるのもありか……母の日も近いし、プレゼント企画とかどうかな

あ、いいですねそれ。じゃあ、専用のプレゼントチケットとか用意しませんか?

お、いいね。どんな感じにする?

ターゲットが母くらいの人なら……ちょっとセレブ感のあるデザインで、メッセージカードも一緒に用意とかしてみたらどうでしょうか

いいねぇ、いいと思う。この件はA君の方がいいものが作れそうだね。企画書作ってみてもらってもいいかな?

はい、わかりました

煮詰まってきたら、また一緒に考えるから相談してね


ポイントを整理すると

  • 会話の流れに応じた的確な判断力(利益を出せないような流れは×)
  • 自分とは違う感性を受け入れる柔軟性
  • 相手と一緒に考える姿勢
  • 質問と提案を織り交ぜ、相手だけに負担をかけない
  • 自分で答えを見つけたと錯覚するよう会話を誘導する
  • 純粋に会話を楽しむ

といったところです。


上司からの相談=「信頼されている」「頼られている」「期待に応えなきゃ」といった流れで、自尊心をくすぐりつつ、自然と考えるクセがつきます。


あとはこれを場面に応じて繰り返すだけ……と、いいたいところですが、重要なのは【コーチングを行うタイミング】です。


それでは次のステップへ進みます。

ステップ③:指導する「タイミング」を知る

コーチングは相手と内容によって、使うべきタイミングが違います。


正直な話、コーチングを体験してみないと感覚をつかむのが非常に難しかったです。


僕の場合は独学だったので1年ほど試行錯誤と失敗を繰り返しました。


その中で見つけた共通の失敗条件がこちらです。

  • 相手に余裕がない時は基本NG
  • 「なぜ?なんで?」の問いかけが多すぎるとモチベーションが下がる
  • 相手のレベル感に合っていない指導をすると信頼を失う

中でも一番の失敗だったのが、相手のレベル感に合わせられなかったことです。


失敗の原因は「こうなってほしい」という僕の思いが強すぎたこと。


相手が「こうしたい、こうしてほしい」と思うレベル感に合わせた指導ができなかったがために、何人かの人材を失った苦い経験があります。


自分に人生経験が足りなかったのも要因だと思いますが、過去に戻れるのであれば、もっと慎重にコーチングを実践するべきだったと反省……


どうやったら失敗しなかったか……方法を模索してみたので、次に紹介いたします。

【重要】コーチングで失敗しないために一番大切なこと

コーチングは間違えた使い方をすると、部下を追い詰め、最悪人材を失うことになります。


逆にコーチングを覚えることで、人材が安定し、業務負担が減ります。


なにより僕の場合は自分自身の考え方が変わり、働き方・生き方が楽になりました


ただそこに行きつくまでには、それなりの代償もありました……それが、先に紹介した人材を失うという大失敗です。


もし過去に戻れるなら、自分はどうするべきか。


コーチングで失敗しないためにはどんなタイミングで使うのか体験してみるのが一番の近道です。


少し話がそれますが、この記事を書くのにあたり良い方法ないか色々と調べてみると、コンサルタントがいくつかあることを知りました(価格は50万~100万円ほど)


その中でコーチングに関して非常に分かりやすい説明と、コーチングを1対1で無料体験できるサイトがあったので体験してみることに。


正直コンサルタントは今までの経験上あまり信用できなかったのですが、見方が変わりました。


詳しくは別記事にて体験談を紹介しております⇒「新人教育がツラ過ぎる……」ストレスで潰れそうな有能社員を救う糸


自分が過去に戻れるなら、会社に申請して有料セミナーを受けるべきだったなと思います。


人材を失うのは精神的にもダメージがありますが、新しい人材採用にかかるコストも、かなりの負担です。


ちょっと前のデータですが、リクルート「就職白書2020」によると、2019年度の新卒採用では一人あたりの平均コストは93,6万円とのこと。


そう考えると、コーチングスキルは「体得が早ければ早いほどリスクを減らせる」といえます

補足:部下の能力を引き出す会話術のコツ

コーチングをおこなう上で、欠かせないスキル【会話術】のコツを紹介します。


会話術と言われると、話がおもしろい人を想像しがちですが、大切なのは【聴く能力】です。


「話するの苦手……」なんて人も、安心してください。


大切なことは聴くことです。


ちょっとしたコツがわかれば、徐々にレベルは上がっていきます。


それでは会話例を含めてテクニックを4つ紹介します。

  • 会話術の基本【オウム返し】
  • 言葉を言い換える
  • 言葉の種類を増やして【繋げる】
  • 「ありがとう」を口癖にする

会話術の基本【オウム返し】の会話例

すみません……相談があるんですが

うん、どうしたの?

入社して1ヶ月経つのにA君に比べて全然仕事ができないんですが大丈夫でしょうか

A君と自分を比べて不安になってるの?

そうなんです……先輩に教えてもらいながらじゃないと不安で……

なるほど。教えてもらえたら仕事はできるんだね

はい。まぁ、一応は

今は仕事ができるという結果よりも、そうやって考えることが大切な時期なんだよ。それができるところが君の良いところだ。困ったことがあったらサポートするからいつでも話においで

と、いった感じで【相手が話した情報をいい返す】という方法です。


ポイントは【少し言い換えながら相手を認める】こと。


これは面白い話ができる人じゃなくても、相手の言葉をよく聞いていればできる基本的なやり方です。


次に言い換えのコツを紹介していきます。

言い換えるコツ

ポイントは以下の2点。

  • 語彙力(どれだけ言葉を知っているか)
  • 言葉の関連図を頭に描けるか

相手の言葉の裏に、どういう想いがあるかを察するためにも【どの言葉がどんなキーワードとつながるか】という関連図を頭の中で描く必要があります。


例えば先の【オウム返し】の会話例で見ると、「できない」という言葉を「不安」とつなげて、言い換えていますよね。


これだけで相手は「自分の話を理解して聞いてくれている」と受け取ります。


そこから生まれる小さな信頼が「もっとこの人に話を聞いてもらいたい」という気持ちに。


あとは相手の気持ちを聴き、問題点のピックアップと、解決へ向けた「考える力」が伸びるよう、会話の流れを作っていければ、コーチングの9割は習得できています


それでは次に、言葉の関連図を頭に作るコツを説明していきますね。

言葉の種類を増やして【繋げる】

頭のなかに言葉の関連図を作る練習をしましょう。必要なものは大きめの紙とペンだけです。


手順は……

  1. 「テーマ」を一つ決める
  2. それと関連する言葉を2つ書きだす
  3. 書き出した2つの言葉を更に2つに書き出す……の繰り返し

以上です。


それでは具体例をあげてみましょう。


テーマは【スタッフ育成】

①スタッフ
②育成



さらに2つの関連ワードを書きだします。

【スタッフ】①仲間 ②仕事
【育成】①教育 ②成長



繰り返します。

【仲間】①信頼 ②好き
【仕事】①責任 ②やりがい
【教育】①難しい ②先生
【成長】①喜び ②スキル



と、果てしなくなるので、一旦ここまで。


次はこれを実際の会話で活かしてみましょう。

この前中途採用した人の教育担当になったんですけど、いまいち僕が言ってることを理解できてないんですよね。あの人

教育担当は大変だよね

そうなんですよ。間違いを指摘すると嫌そうな顔するし、こっちがまいりますよ

そうか。まぁ、今のままだとしばらく大変かもね

どうしてですか?

例えば学生の時に、この先生は好きだなーって思ったことある?

あー、ありますね

その先生の授業は、他の授業より楽しくなかった?

言われてみれば……そんな気もします

それと似たようなもので、人を教育するのに、信頼関係も大切だよね。まだその人のことを仲間と思えていないんじゃない?

仲間、ですか……

そう仲間。友達とは違って、仕事上の関係だから、お互いに責任や、やりがいを共有していく仲間なんだよ

ん~、正直難しいですね

はは、今はそうだよね。でもいつか君も責任者になれば部下もできる。その時に部下の成長を目の当たりにできる喜びっていうのを実感すると思うよ。今はそのスキルを磨く良いチャンスだと思って頑張ってみてくれると嬉しいな

少し強引なところもありますが、こんな感じです。


言葉の関連図を普段からイメージすることで、言葉は繋がっていきます。


ちなみに、このテーマの部分を【自分】にすることで、自己分析もできるので、ぜひお試しください。

まとめ:コーチングでは実践が一番大事

繰り返しになりますが、コーチングでは基本を知っておくこと。そして、なにより実践が一番大切です。


ただ、実践となると、身に付くまで時間がかかるのと、その間にスタッフを失ってしまう可能性もあります(僕みたいに……)


こちらサービス(コーチングを受けながら学ぶなら【CoachEd】)のような無料体験などをしてみることをお勧めします。


無料体験を実際に受けてみたレポートはこちら>>【実体験】CoachEdは人材育成効果がある?コーチング経験者のレポート


この記事が少しでも参考になれば幸せです。

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