接客のテクニックは沢山ありますが、その中でも飲食店に特化したスキルを磨いた『接客レベルが高い人』がいます。
飲食店での接客スキルに特化した人は、
- 常にホール全体の動きを把握している
- メニューのことを良く理解している
- 無駄な動きがない
- スタッフへの声掛けも優しい
- 笑顔で目を合わせてくれる
- 清潔感があり香水なども使わないようにしている
- 聞き上手でお客様のニーズを理解するのが早い
- お客様のタイプを見極めるのが上手い
- 声掛けのタイミングが絶妙
といった特徴を持っていることが多いです。
ベテランだからできている部分もありますが、中には今すぐマネできるテクニックもあるので、今回の記事では、飲食店用に特化した具体的な方法を紹介していきます。
もっと基本的なテクニックを知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください>>接客が上手い人が使う『人たらしな接客術』10のポイント!
飲食店の接客で今すぐ使えるポイント
ホール全体の動きを把握する『ラウンド』
ホール全体の動きを把握するのには、こまめにラウンドすることが有効。
ただ回るだけではなく、
と、いった部分に意識を向けながらこまめにホール全体を歩いて回るクセをつけましょう。
慣れれば、自然にホールの状況が把握できるようになり、お客様の小さな変化にも、いち早く気づくけ、より良いサービスの提供ができるようになります。
お客様の心をくすぐるメニュー紹介
飲食店では「どれがおすすめ?」と聞かれることがよくあります(接客が上手な人ほど話しかけやすい雰囲気が強いので多い)
この時に「メイン」「サイド」「ドリンク」「デザート」で1つから2つほど、推せるメニューを覚えておくと非常に便利。
ちょっとしたポイントとしては、最初に少し悩む振りをするのがコツです。
スラスラ~っとおススメの言葉が出てくると、台本を聞いているような感覚になるので「悩ましいけどコレかな?」といった雰囲気で伝えると本心のように聞こえるので、お客様に響きやすいことが経験上多かったです。
もし「そんな上手に演技できない……」という人は、素直にその時自分が食べたいものを伝えるのもアリ。
「どれもおススメなんですけど、運ぶたびに凄く良い匂いで……今自分はコレがすごく食べたいです」とおススメして、笑いながら追加注文をいただいたこともあるので、迷った時は試してみてください。
無駄な動きを削る『ついでに作業』
無駄なく動くスタッフさんの姿は美しささえ感じます。
では『慣れる』以外に、どうすれば無駄のない動きができるのか?
それは何かの作業をする『ついでに』別の作業もすること。
例えば、
- 水を注ぎに行った『ついでに』バッシングをする
- 食事を運ぶ『ついでに』水の追加をする
- ウェイティングを確認しに行く『ついでに』お客様へメニュー表を渡しておく
などといった感じで、一つの移動の中でいくつかの作業を『ついでに』作業すれば、無駄な動きは自然と減ります。
周りを和ませるムードメーカー
最近では減ってきましたが、スタッフがスタッフを叱っている姿というのは見ていて気分が良いものではありません。
逆に、スタッフ同士でのやり取りに優しさが溢れていると、お客様目線でもほっこりします。
お互いに細かく「ありがとう」と声掛けしたり「それやっておくよ」とサポートしたりできているお店は、空気が和んでいて、食事も心地よく楽しめます。
まずは自分が「ありがとう」と普段から言えるクセを持つようにしましょう。
忙しい時ほどお客様の目を見る時は笑顔
忙しい時や、自分に余裕がない時ほど、人は本性が出てしまいます。
少しでもイライラした雰囲気や、ピリピリとした空気をまとった店員さんに対応されると、お客様は不快でしかありません。
「忙しいなか注文するの気が引ける……」というお客様は割と多く、一度でもそんな対応をされてしまうと、お店には二度と来てくれないでしょう。
ですが逆に忙しい中でも笑顔を絶やさず対応してもらえれば、安心して「また来たいね」と思ってもらえます。
勝負はお客様と目が合う瞬間です。
そこで笑顔が出せていれば勝ったも同然。
バッシングしている時や、料理を運んでいる道中は真剣な顔でいいんです。
ですが、お客様を前にして目を合わす瞬間。
この瞬間だけしっかり笑顔で対応できていれば、メリハリの利いた良い接客ができるスタッフだと思ってもらえます。
自然な笑顔でお客様の心を和ませれるよう普段から意識しておきましょう。
飲食店では清潔感が重要。香水はNG
飲食店で働くなら『食事を楽しむのに邪魔なもの』を排除することが大切。
- 髪の毛は綺麗にまとまっているか
- 香水や柔軟剤など食事の香りを邪魔するようなものを使用していないか
- 制服に汚れがついていないか
- 口臭は問題ないか
- 使い古したマスクをつけていないか
など、見た目と臭いに気を配り、清潔感があるだけで、印象は大幅に変わります。
出勤前や、ホールに出る前に、必ず身だしなみをチェックするようにしましょう。
お客様のニーズを理解する『聞き取り力』
話し好きなお客様もいれば、そうでない人もいます。
話し好きであれば自分の要望を自然と話してくれますが、そうでない人は、しっかりとスタッフ側が聞きだしてあげることが大切です。
- ドリンクは食前が良いのか、食後がいいのか
- ごはんは普通でいいのか、大盛の方がいいのか
- 他にオーダーがないか、実は別のメニュー変えたいのか
など、お客様が自分から言いにくいサービスの案内をしてあげたり、細かな確認をしてあげることも接客サービスの一つ。
「なんでも言ってくださいね」という心構えで、丁寧に接していきましょう。
お客様のタイプを見極めるコツ
「絶対こう!」という正解はありませんが、話し方や表情などから、ある程度お客様のタイプを見極めることは可能です。
お客様のタイプを見極めることで、案内の速さや話しかけ方を変えたりなど、満足度を上げるための対策ができます。
以下の通りいくつか特徴と対応方法例を紹介します。
- 口数が少なく目を合わせてくれない一人客……必要な情報の案内を優先し会話量は少なめに。声のトーンをいつもより明るめで、ゆっくり目に話すと〇。
- 声が大きく質問が多いグループ客……テンションを相手に合わせて、あいづちを重点的に行うと〇。ちょっとした雑談などが好まれ、常連になりやすい。
- 風格があり、ゆったりとした話し方をされるご夫婦……丁寧に目を見ながら案内をすると〇。上座下座といった基本マナーや、その日のおススメメニューなどへの関心が高い。
そのお店独自の客層などもあるので、普段からお客様を観察しておくといいでしょう。
食事を邪魔しない声掛けのタイミング
2人以上のグループで飲食店を利用する場合、食事以外に『仲間との会話の場』を求めている場合もあります。
そんな場合は、声を掛けるべきタイミングと、極力声を掛けない方が良いタイミングがあることを覚えておきましょう。
例えば、真剣な話しをしている最中に「水のおかわりいかがでしょうか?」などと声を掛けた場合、話の腰が折れてしまいますよね。
そんな時は、不必要な声掛けは避け、料理を運ばなければいけない時は、声を静か目にそっと提供するなど、気を配るようにしてみてください。
また、食事が終わったあと雑談しているお客様へ頻繁に水のお替りを持っていくと「早く帰れってことかな……」と感じさせてしまうこともあります。
ウェイティングが出ていなければ、お水はピッチャーごと持っていってあげるなどして「ゆっくりしていいよ」という気遣いも、最終的には居心地の良さに繋がりリピーターを獲得できるチャンスに。
プラスワンの注文が取れたり、お客様に居心地よく過ごしていただいたりと、声掛けのタイミングを上手く見極めることは、飲食店だと非常に重要な熟練スキルといえるでしょう。
才能:強いメンタルとお客様を喜ばせることが好き
「この人接客の才能あるなぁ……」と感じる人は、演出や多彩なスキルに優れています。
例えば、
- 誕生日や記念日のサプライズ演出として歌を披露する
- 子ども目線で触れ合えるコミュニケーション力
- 外国人観光客へも物怖じせずボディランゲージメインの英語対応
など、メンタルが強いか、人を喜ばせるのがすごく好きかでないとできないようなことを平気でできたりします。
こういった才能を持つ人は、飲食店に限らずサービス業であれば、だいたいどこでもやっていけると思います。
最後に:お客様との繋がりを大切にする接客の重要性
飲食店はサービス業の中でもリピーターを獲得しやすい業種。
リピーターを増やすためには、基本のサービス提供レベルを上げる他に、『口コミ』の力を活用した集客が現代では非常に重要です。
口コミでは食事のことが中心にはなりますが、スタッフに対するコメントも同じくらい多く、良くも悪くも「ネット口コミを書こう」と思わせるきっかけに接客の良し悪しが大きなきっかけになります。
お客様との信頼関係を築くこと。満足していただくことを常に意識して接客レベルを上げていきましょう。
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