レジ接客で一番重要なのは、お客様のタイプと要望を見抜くこと。
それが分かっているスタッフさんは、お客様に合わせたスピード感で接客をしています。
※こちらの記事を読んだ後の方が分かりやすいです⇒接客が上手い人が使う『人たらしな接客術』5つのポイント!
レジ業務はスピードが求められるので、お客様と関わる時間が短く、どうしても機械的になってしまいがち。
流れ作業感が強すぎると冷たく感じるし、丁寧に接客しすぎると後ろに並んでいるお客様から「早くしろ」と思われそう……と言った感じで、レジ接客はバランスをとるのが非常に難しいんですよね。
というわけで、今回はこのスピード感を意識しつつ「この人感じがいいな」と思ってもらえるテクニックを具体的に紹介していきます。
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第1章 レジ接客が上手い人はスピード調整が上手い
基本的に多くの人はお会計なんて、さっさと済ませてしまいたいですよね。
少し前の調査データですが、レジでの待ち時間について以下のようなアンケート結果があります。
スーパーでのレジ待ち時間は、「3分」がトップで26.8%。“3分まで”(「30秒」~「3分」の合計)に約6割(61.1%)がイライラしはじめます。
引用:CITIZEN様(ビジネスパーソンの「待ち時間」意識)
コンビニも「3分」(25.8%)がトップで、“3分まで”に8割超(80.9%)がイライラしはじめます。
スーパー、コンビニともに「3分」がトップでしたが同じ小売りの待ち時間でも、スーパーよりコンビニの方がイライラを感じるまでが早いようです。
待つ側として3分は長く感じるということですが、レジ対応する側からすると短く感じますよね。
「じゃあ、急ぐ以外にレジ接客で必要なことってないじゃん」と感じるかと思いますが、そうではないと思います。
なぜなら、その中でも許容範囲は人によって違うからです。
例えば同じサラリーマンでも、休憩中の買い物は早くして欲しいでしょうし、仕事中の買い出しで、サボりたい……なんて時はゆっくりでもいいでしょう。
早くレジ処理ができるのは重要ですが、状況とお客様の言動などから推測して、レジ接客のスピード感を変えれるとグッと印象は変わります。
レジ接客が上手になると、お客様や他のスタッフさんからの評価も上がって、働くのが楽しくなっちゃうかも?
ということで、レジ接客上手になるためのステップを簡単にまとめると、
- 状況把握
- お客様のタイプ予測
- スピード感と丁寧さの調整
と言った感じです。
予測をたてて、お客様が『スピード感』と『丁寧さ』のどちらを求めているかを探ります。
今回場面はコンビニやスーパーを想定してみますので、他の業種の場合は、少しずれる部分もあるかもしれません。
「お客さまのタイプ予測はできる」という経験者の方は、第2章まで読み飛ばしてもOKです。
それでは順番に説明していきましょう。
ステップ1: 状況把握
まず周りの状況把握をします。
- レジの込み具合はどれくらいか
- お昼の時間帯か
- タイムセール中か 等々……
先の例で考えると、サラリーマンなら休憩時なのか、そうでない時間帯なのかによって「お急ぎ度」が変わってきますよね。
なので基本情報として、現状把握をしましょう。
ステップ2: お客様のタイプ予測
次にお客様がどんなタイプなのか予測を立てます。
ここは経験値が必要で、慣れてくれば何となく「こういうタイプの人なんだろうな」という予測がつくようになります。
※ただし、100%当たる保証はないので思い込みで決めつけないように要注意
その「なんとなく」の部分を言葉にすると、以下のような部分を見ています。
基本的な内容なのでレジ経験者の方は読み飛ばしてもOKです。参考までにどうぞ。
性別と年齢から予測
経験上、性別や年齢で以下の傾向が多かったです。
男性の場合
- お会計を済ませること以外に意識がいきにくい
- 目を合わせるのが苦手(恥ずかしい)
- 心をつかむとリピーターになりやすい
女性の場合
- ポイントやお得な情報などに興味を持ちやすい
- 損得勘定がしっかりしている
- 細やかなサービスを見ている
若い世代
- 周りの目を気にする(SNSでマナーについて取り上げられることが増えたからか、年々増加している気がします)
中年世代
- 小さなサービスや礼儀に敏感
ご年配世代
- 小さなことは気にしない(気づかない)
- 会話を求める
- マイペース
恰好から予測する
わかりやすいものだと、スーツ、作業着など仕事中かな、と予測されるもの。
仕事中なら基本急ぎ目の方がいいかもですね。
私服の場合であれば、おとなしいトーンの方、派手目の方など、服装と内面がリンクしている場合が多いといった感じです。
挙動で予測する
動き方、喋り方から【お急ぎ度】を予測します。
分かりやすいところから紹介すると、急いでいる人は以下のような特徴があります。
- 身体の一部が常に動いている
- 返事が食い気味
- 不機嫌
どれかが当てはまれば、スピード感は最速を選んだ方が無難だと思います。
では、逆にスピード感よりも丁寧な接客を求めている人の特徴はどういったものか。
- お得な情報がないか聞いてきる(ポイント制度や次のセールなど)
- 他の人にレジの順番を譲る
- お会計と関係のない話をする
といった感じです。
この場合は、いつもより丁寧にレジ対応しておいた方が、ファンになってくれる可能性がUPします。
ステップ3 スピード感調整
ここまで条件がそろったら、スピード感を調整するだけです。
モデルタイプをもとに具体例を紹介しますね。
お客様タイプ1
- レジは混んでいる
- 時間は12時ごろ
- 男性
- 年齢は50代くらい
- 恰好はスーツ
- 返事が食い気味
- 持っているのはお弁当とお茶
この場合、お急ぎ度はMAXの可能性が高いです。
最速のスピード感を持ってレジ対応しましょう。
ただし、年齢は50代と中年世代。
傾向的に細やかなサービスを気にされる方が多いので、ポイントカードはあるか、お箸が必要か、レシートは必要か、という声掛けに注意しましょう。
「そんなこと良いから早くして」
という雰囲気を出している人ほど、声掛けしたにも関わらず「ポイントカードあったの?聞いてない」と聞き流していた……というのも少なくありません。
なるべく声掛けの時にハッキリ喋る、声のトーンを変えるなど、少し工夫するのがポイントです。
お客様タイプ2
- レジは混んでいる
- 時間は15時ごろ
- 女性
- 年齢は70代くらい
- 動きはゆっくり目
- 何かと会話をしたがる
- 持っているものは日用品
こんな場合は、スピード感よりも丁寧さの方を重視した方が良いですよね。
少しゆっくり目で大きな声掛けしたり、ポイントカードを聞くときは手でジェスチャーを加えたりといったところがポイントになります。
少し難しいのが、時間に余裕がある場合だと、雑談を求められることもあります。
その時にあまり付き合い過ぎると、レジ業務以外のことができなくなるので、お店の店長さんの方針によっては、嫌がられる場合もあるかもしれません。
接客重視か、労働効率最優先か、店長さんのタイプを見極めるのもポイントの一つになりますね。
第2章 スピード感を調整するポイント
先にも少し触れましたが、大切なことは目の前にいるお客様が『スピード感』と『丁寧さ』のどちらを重視したほうが喜んでくれるかを考えることです。
スピード感を重要視する場合と、丁寧さを重要視する場合のポイントを紹介しますので、お客様のタイプに合わせて使い分けてみてください。
スピード感を重視する時のポイント
そもそも「レジ作業が遅い」という場合は、調整も何もないので、以下のポイントを押さえてレベルアップを頑張っていただけると嬉しいです。
- 一番作業効率のいい流れを体に覚えこませる
- 聞き取りやすい声で話す
- 常に早い動きを意識する
注意点としては、ミスをしないことが一番重要であることを忘れないようにしましょう。
慣れるまでは、焦らず手順をしっかり覚えてくださいね。
丁寧さを重視する時のポイント
まず先に紹介した『一番作業効率のいい流れ』をベースにして、次の部分を意識してみてください。
- 声掛けのタイミングでは手を止めてお客さまの目を見る
- 『ダラダラ』ではなく『優雅』な動きを意識
- 次のお客様へすぐに視線を切り替えない
最後の「視線」の部分はちょっとしたテクニックなのですが、割と人って視線が自分に向いているかどうかわかったりします。
お会計が済んだ瞬間に視線を切った場合、大袈裟にいうと「お金を払い終わったらさっさと行けってことか?」と思わせてしまうんです。
なので、視界の中に入るうちは、できるだけ視線や体の向きを次のお客様に切り替えないようにするのがおススメです。
第3章 レジ接客ならではの好印象テクニック
接客といっても「レジ接客」や「配膳の接客」など、場面によって効果的なテクニックは変わってきます。
今回の記事では、レジ接客ならではのマニアックなテクニックを紹介していきます。
表情や動きの緩急をつくる
ずっと笑顔の接客も悪くはないんですが、レジのように速さを求められる場合は、作業中に真剣な顔、声掛けのタイミングでは笑顔という形でギャップを作ると好印象を与えやすいです。
特にお金を返す時はお客様の意識が自分に向きやすいので、そのタイミングでしっかり目を合わせて笑顔が向けられると効果的ですね。
また、素早い動きが求められるレジ作業の最中でも、商品は丁寧に置いたり、詰めたりなど、細かい気遣いで緩急をつけるのも小さなポイントです。
返金の仕方に工夫をする
基本的な部分でいうと、お金は絶対に片手で扱わないことが大切です。
- お札は両端を軽く引っ張りながら渡すことで、お札がピシッと張って綺麗に見せることができる
- 小銭は、片手で小銭を持ち、もう片方の手をお客様の手の下に回して返金する
- トレーでの返金、自動精算機などの場合は、両手を前で合わせて、綺麗な立ち姿でお客様を待つ
些細な動作ですが、これだけでも印象は変わってきます。
特に返金時はお客様の意識はスタッフに向きやすいので、ここでの印象がよければ、レジ接客全体の印象が良くなりますので、ぜひ意識してみてくださいね。
言葉遣い・セリフに注意する
これは好印象というより、悪い印象を避けるために気を遣った方がいい部分です。
1つ目は「お預かりします」と「頂戴します」を使い分けること。
「お預かりします」はお釣りがある時で、「頂戴いたします」はお釣りがない時ですね。
滅多に気にしている方はいませんが、ごくまれに「間違っているぞ」とご指摘される方もいます。
似たような感じで「○○になります」という表現は避けた方が無難です。
場面によっては間違っていないのですが、接客時に「○○になります」というワードを使っただけで不快感を表す人も、ごくまれにいます
最初にもいいましたが、悪い印象を避けるために意識しておいて損はないテクニックだと思ってください。
接客での言葉遣いに関して詳しく知りたい場合は、こちらの記事もご参考までにどうぞ>>
・接客の『正しい言葉遣い』に隠れた罠。大切にすべきことの優先順位とは
・【無料辞典】レジ接客用語シンプル解説集
おまけ:レジ接客時によくある困りごと
たまに……というか割とあるんですが、並んでいる方々を無視して「お困りごとの質問」をするために割り込んでくる人がいます。
この時に、割り込んできた人に丁寧な対応をし過ぎると、並んでいる方々からお叱りを受けることもあるんですよね……
かといって、適当に対応すると、割り込んできた人がプンプンすることも……
忙しい最中だと一瞬パニックになりそうですが、冷静に他の人に助けを求めましょう。
レジ接客は判断が難しい場面に出くわすことも多いので、先輩方に「どんなクレームが多いか」を先に聞いておくのも一つの手ですね。
頑張って素敵な店員さんを目指していきましょう♪
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