接客の『正しい言葉遣い』に隠れた罠。大切にすべきことの優先順位とは


接客業で働くなら、正しい言葉遣いを知っておくことは大切です。が……

『正しい言葉遣い』をお客様が求めていないこともあるのはご存じでしょうか。


接客に関して『絶対的な正解』はありません。


言葉遣いだけではありませんが『丁寧・品がある』といったプラスのイメージの裏には『固い・人情味に欠ける』といったマイナスイメージも存在します。

丁寧な接客を求める人、気楽な接客を求める人……お客様によって、好みは変わります。


大切なことは、お客様の好みに合わせるということ。


あくまでも『接客の正しい言葉遣い』というのは、さまざまな好みに合わせるための『選択肢のひとつ』ということを意識しておきましょう。

とはいえ「知らない」のと「知っていて使わない」のには、大きな差があるので、スキルの一つとして覚えおいて損はありません。

ということで、基本の用語と間違いだといわれる言葉遣いなどを説明していきます。

<便利記事>
【無料辞典】接客用語シンプル解説集

接客7大用語とは

接客7大用語とは、接客の基本として、よく使われる7つの言葉のことです。

  • いらっしゃいませ
  • かしこまりました
  • 少々お待ちくださいませ
  • お待たせいたしました
  • 恐れ入ります
  • 申し訳ございません
  • ありがとうございます

注意点として「ありがとうございます」以外は、1人のお客様に対して何度も使うのは悪印象になるので、できる限り避けましょう。


接客7大用語は接客業なら、どこでも使っている言葉です。が……

よく使われるということは、逆に言うと聞き慣れていて記憶に残らない言葉とも言えます。


例えば「いらっしゃいませ」なら「こんにちは」など、接客用語と違う言葉を組み合わせたほうが、お客様の心に残るので覚えておいてください。

また、声のトーンを使い分けることで、より効果的に印象アップも可能です。

詳しくはこちらの記事もみてみてください>>接客上級者は「声のトーン」で人を魅了する!変化自在な魅惑の声色とは

接客時によく指摘されるNGな言葉遣いとは

正しい日本語をすべて覚えるのは途方もない作業になるので、接客時にNGだといわれることが多い言葉遣いを抜粋しました。

わかりました→かしこまりました
よろしかったでしょうか→よろしいでしょうか
なるほどですね→左様でございますね
とんでもございません→とんでもないです
できません→いたしかねます
食べてください→お召し上がりください
すみません→申し訳ございません
します→いたします
知っています→存じております
させていただきます→いたします
おられますか→いらっしゃいますか
お座りください→おかけください
いりますか→ご入り用ですか
行きます→お伺いします/参ります
あっち、こっち、そっち→あちら、こちら、そちら
〇〇になります→〇〇でございます

また、レジの時によくある間違えた言葉遣いは「ちょうどお預かりします」というもの。

「預かる」のは返すものがある場合、つまりお釣りが時に使うのが正しいといわれています。

・お釣りがある場合は「○○円お預かりいたします」
・お釣りがない場合は「○○円ちょうど頂戴いたします」

と使い分けをしましょう。


もし、接客に限らず正しい敬語を使いたいという場合は、こちらのサイト様が多くのパターンを紹介してくれていますので参考までに>>LIG様

『クッション言葉』と『疑問形』で言葉遣いをワンランク上に

クッション言葉とは、お客様にお願いする時などにクッションの役割をする言葉のことです。

例えば、お客様に申し込み用紙を書いていただく場合だと、

  1. こちらにご記入をお願いいたします
  2. 恐れ入りますが、こちらにご記入をお願いたします

どちらでも間違いではありませんが、2の方がお客様への気遣いが見えて丁寧に感じます。

また、語尾を疑問形にすることもテクニックの一つです。

  1. 恐れ入りますが、こちらにご記入をお願いいたします
  2. 恐れ入りますが、こちらにご記入をお願いできますでしょうか

なぜ疑問形にすると良いのか。


それは『お客様に選択していただく』という心持ちが大切だからです。


お客様に「はい」と言わせるか「いいよ」と言ってもらうかの違いです。

小さな差に見えますが『おもてなしの心』というものはこういった部分の積み重ねだと経験上思っています。

※ごくまれに「どうせやらなきゃダメなのに聞いてくるな」というタイプの人もいますが、割合は少ないので「こうゆうタイプの人もいるんだな」と割り切ってください。

接客の質が変わる『マジックフレーズ』

お客様との会話では『相槌(あいづち)』が非常に重要です。

接客が上手い人は、ほぼ100%といっていいほど『相槌』が絶妙です。

相槌に関して詳しく知りたい場合はこちらの記事をご参照ください>>『あいづち』の種類で接客は変わる!本当は知られたくない裏テクニック


いくつかある相槌の中でも、以下の3つは接客業なら使える場面が多い『マジックフレーズ』なので、ぜひ覚えておいてください。

マジックフレーズ①ありがとうございます

お客様が何かをしてくれたら「ありがとうございます」と伝えるクセを持ちましょう。

会話の相槌として、行動ひとつに対して、あらゆる場面で「ありがとう」と伝えられるようになると、自然とコミュニケーションが優しくなります。

お客様だけでなく、スタッフ同士でもおススメなマジックフレーズです。

マジックフレーズ②嬉しいです

日本人の多くは『謙遜』することに美学を持っています。

そのため、お客様からお褒めの言葉いただくと、つい「いえいえ。そんな……」と、言ってしまいがち。

そんな時は素直に喜んで「嬉しいです」と伝えてみましょう。

お客様も「あぁ、言ってよかったな」と嬉しくなってくれるハズです。


『嬉しい』は広がるマジックフレーズです。積極的に使ってみてください。

マジックフレーズ③勉強になります

話をしたいお客様ほど『承認欲求が強い』ことが多いです。

ただ「はい」「なるほど」だけでも良いのですが、話の節目に「勉強になります」というフレーズを使ってみましょう。

そうすることで「この子が知らないことを教えてあげれた」と、お客様の承認欲求が刺激されます。

あまりに何回も使うと嘘くさくなるので注意が必要ですが、お客様に喜んでもらうための相槌テクニックの一つとして、ぜひ覚えておいてください。

まとめ:接客で大切なのは表面上の言葉ではなく心

正しい言葉遣いや、マナーといった部分は突き詰めていくとキリがありません。

地域や国、仕事などによっても変わります。

ですが「お客様を おもてなし しよう」という心に関しては、接客業であれば共通です。

貴方が今から接客業を始める人でも、スタッフに教えてあげる立場の人だったとしても『正しい言葉遣い』という固定概念にとらわれ過ぎないように気を付けてください。

【関連記事】
接客未経験者の不安を解消!接客業界の基礎知識と必要なマナー・スキル・就職方法を徹底解説
接客が上手い人が使う『人たらしな接客術』5つのポイント!
部下の能力を引き出すスキル『コーチング』【現場経験15年の集大成】

コメント

タイトルとURLをコピーしました