- お客様との会話がなかなか盛り上がらなくてツライ
- お客様との距離感を縮めたい
- コミュニケーションが上手な人になりたい
こういった悩みを持つ人は「ミラーリング」を使った会話テクニックを覚えてみてください。
ミラーリングとは「好意を持っている人同士は仕草や言動が似てくる」という心理行動のこと。
これを応用して『お客様の仕草や言動をマネをする』というのが、今回紹介するテクニックです。
このテクニックは本質を理解すれば、観察力・傾聴力が格段にレベルアップします。
ただし、使い方を間違えると逆に悪印象を与えてしまうこともあるので注意が必要。
では、何に注意すれば良いのか。
それは「少しだけ」「バレないように」マネすること。
では説明していきます。
ミラーリングを使った会話テクニックのポイントとは
使用時のポイントは「少し」相手のマネをするということ。
なぜ「少し」だけなのか。
それは、ミラーリングでの最大の失敗は『相手にマネをしていることがバレる』ことだからです。
バレないためには自然にマネをする必要があるので、やりすぎないよう「少し」だけ……というのを意識しておくことが基本となります。
マネをしているのがバレると、ほとんどの人が不快感を覚えるので注意してください。
それでは、具体的な使い方と、どういった時にバレるのかを説明していきます。
ミラーリングの具体的な使い方とは
まず、ミラーリングを使う前に非常に大切なことが1点。
それは、マネをすることが目的ではなく、相手の感情を理解することが大切。ということをしっかり意識しておいてください。
接客だけではなく、コミュニケーションで大切なのは相手の感情や想いを理解すること。
それが分かっていれば「この人にとって心地良いコミュニケーションはこうかな?」といったことが考えられるようになります。
こういったテクニックを知ると方法のみに意識がいきがちですが、ミラーリングの本質は相手を理解するための手段と思っておいてください。
では、以上のことを意識しながら次のポイントを見ていきましょう。
【基本①】動作・仕草をマネする
動作や仕草は目に見えるのでミラーリングの効果が高い反面、バレやすいというデメリットも。
ミラーリングの基本ではありますが、ポイントと合わせて注意点も意識してみましょう。
小さな動きを見つける
「伸びをする」「腕を組む」など、大きな動きほど、ミラーリングをしているとバレる可能性があがるので注意が必要です。
やってダメではありませんが、慣れないうちは避けた方がいいでしょう。
逆に小さな動きは狙い目です。例えば、
- 呼吸をするタイミング
- 頷く
- 首を傾げる
- 手の指を絡める
- 耳を触る
- 唇に触れる
といった、小さな動きは気付かれにくいのでオススメです。
マネをする時は不自然な動きにならないよう気をつけましょう。
また、ミラーリングとは少しズレるのですが「腕を組む」というのは、心理学上、警戒心の表れともいわれます。
こういったマネをすると逆効果になる可能性がある仕草や、お客様相手で失礼にあたる動作は、なるべく避けてください。
【基本②】テンション・感情を理解する
「嬉しい」「楽しい」「かなしい」「くやしい」といった感情を相手のテンションに合わせていきましょう。
自分が楽しかった思い出を人に話している時に、相手も楽しそうに聞いてくれると、それだけで嬉しくなりますよね。
それと同じで、テンションや感情を合わせることは、相手に気持ちよく話してもらうための基本です。
ただし、ここでの注意点は、表面上の感情に惑わされないこと。
例えばクレームなど怒っている人の感情に合わせて、こっちも怒っていいのかと言われたらNOです。
怒っている人は、怒る前に「がっかりした」「裏切られた」という「悲しい」という感情が隠れています。
なので、クレーム対応の時などは、その「悲しい」という感情に合わせて、相手の思いを聞き続けることが大切です。
『相手の本当の感情は何か』
これを常に意識しながら相手を観察して、マネしてみましょう。
声のトーン
「明るく」「暗く」「真剣に」など、感情によって声のトーンを合わせましょう。
悲しい話をしているのに、明るいトーンで話をされると「あ、この人わたしの気持ちに寄り添ってくれないんだ」と感じてしまいますよね。
そうならないためにも、まずは相手の心情や感情を理解して、声のトーンを選んでください。
また、声のトーンは相手の感情を理解するための良い材料でもあります。
『顔は笑ってるけど、声のトーンが暗い』
こういった違和感に気づけるようになると、「ちょっと元気なさそうですけど何かありましたか?」など、他の人とは違う対応が可能に。
コミュニケーション上手な人ほど、このような違和感に気づき「声をかける」「あえて声掛けをしない」「そっとジュースを差し出してあげる」などといった、先を行く気遣いをしています。
そうすることで「あぁ、この人は自分のことをよく見てくれているんだな」と相手が感じ、良好な関係を築けるので、声のトーンは聞き分けることも意識してみましょう。
表情
「笑う」「微笑む」「驚く」「悩む」など、表情を相手に合わせましょう。
表情を合わせる時のコツは『表情をレベル分けして使うこと』です。
「笑う」と「微笑む」は似たような表情ですが、使い分けをすることで、より効果的になります。
例えば、話し相手が最初から最後までずっと同じ笑顔だと「あれ?話聞いてる?」と思ってしまいますよね。それと同じです。
笑い話であれば、話のオチで笑って、それまでは微笑んでおくなど、レベル分けして表情をマネしてみましょう。
喋るペース
例えば恋人とデートをしていて、相手がどんどん先に行ってしまうと焦るし、逆に遅すぎると「早くいこーよ」とじれったくなりますよね。
それと会話は似ていて、お客様のペースに合わせて相槌や質問をすることで、お客様は心地よく感じます。
また、「この人は仕事ができる人だ」と思わせる効果があるとも言われています。
ただし注意点として、早いペースに合わせるのは難易度が高いということを知っておいてください。
早いペースの会話には、早い頭の回転が必須。
自分の慣れている分野の会話であれば大丈夫かと思いますが、そうでない場合は、早いペースに惑わされて的外れな返答をしてしまうかもしれません。
そんな場合は、返す言葉を少なくするのがコツです。
無理に話を合わせるのではなく、相槌を増やし、話を聞く方に力を入れ、会話を返せる場面で返すようにしてみましょう。
言葉
いわゆる「オウム返し」というテクニックです。
簡単に言ってしまえば、お客様が言ったワードを使って返答する。というものです。
「最近良いことないからさー、気分が明るくなるようなことして遊びたいんだよね」
「分かります。良いことない日が続く時は、パーっと遊んで、気分切り替えたいですよね」
といった感じです。
ただ最近では会話テクニックの基本として割と知られているので、あまり多用すると、ミラーリングをしていることがバレる原因になります。
使うのは会話の中で1、2回にしておいた方がいいでしょう。
ミラーリングがバレる原因とは
ミラーリングをしていることがバレてしまう時は以下のパターンがほとんどです。
- 仕草や動作、言葉をマネをしすぎる
- 不自然な態度になっている
- 相手もミラーリングを知っている
営業マンや、ベテランの販売員などは、ミラーリングを基本テクニックとして使っていることがあります。
こういった人たちには、ミラーリングを使っていると見抜かれてしまう可能性が高くなります。
相手の素性を知っていれば予測することもできますが、接客業では初めて会う人がほとんど。
「そんなにリスクが高いのなら、接客でミラーリングは使えないのでは……?」
そう思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
その理由と、バレない(限りなくバレにくくする)方法を説明します。
ミラーリングの極意「ひと呼吸の間」
最初に記述した通り、ミラーリングは『お互いに好意を持っている人同士の仕草や言動が似てくる』という心理行動です。
好意をもっていれば、無意識に相手の仕草や言動に似通っていきます。
なので、ミラーリングのことを知っている人でも、ごく自然にマネをされた場合は「意識してマネをしているのか、無意識にしているのかを見定めるのは難しい」のです。
すなわち、ミラーリング最大の課題とは『どれだけ自然にマネできるか』といえます。
では、自然にマネをするためのコツとは何か。
それは『ひと呼吸の間を置いてからマネをする』ことです。
お客様の動作をすぐさまマネすると、どうしても不自然になってしまいます。
動作や仕草をよく観察し、マネをして不自然にならないか判断した後で実行しましょう。
【まとめ】接客の質を上げるミラーリングの活用方法とは
ミラーリングは使えば使うほど、タイミングやコツが身に付いていきます。
そうなれば段々と自然に使えるようになり、よりミラーリングの成功率は上がっていきます。
- ミラーリングの具体的な使い方を知る
- ミラーリングの危険性を知る
- お客様相手に実践してみる
- 実践でしっかり「観察」する
- 実践でタイミングを覚える
そして最終的には観察力や傾聴力があがり、接客の質が今までとは比べものにならないほどレベルアップしているはずです。
最初は勇気がいると思いますが、1回の接客で1つだけ……と、小さなステップでもよいので、まずは実践してみることをおススメします。
ぜひ頑張ってみてください。
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