お店にとってリピーターはとても大切な存在。
一説では売上の8割を、2割のハードリピーターが作っているとも言われています。
そんなリピーターを増やす、つまり「また来たい!」と思ってもらうためには色々な作戦が必要。
「また来たい」と思って貰えるよな接客とは接客業のゴール地点と行っても過言ではありません。
今回の記事では接客歴15年、マーケティング歴5年の経験値を駆使して、どうすればリピーターが増えるのかを紹介していきます。
一番はじめにするべきことはターゲットを明確にすること
「また来たい」と強烈に思ってもらうには、その人の好みや価値観・本能にブッ刺さるかが重要です。
そのためには来て欲しいお客様層、つまりターゲットを明確にして、ターゲットのことを深く理解することが第一歩です。
ターゲットを理解した上でターゲットにあった接客方法をまとめていきましょう。
あなたのお店はどんなお客様に喜んでもらえるお店?
今来てくれているお客様の中でも、特にお店を気に入ってくれていて、利用額が多いお客様はどんな人か調べてみましょう。例えば、
- 50代女性で子育ても終わって自分の時間がある人
- 20代男性で仕事が忙しく週末の夜だけ楽しみたい人
- 10代女性でTikTokにアップするネタを友達と探している人
こんな感じで、まずはメインターゲットを決めていきましょう。
よくある失敗パターンは「誰にでも喜んでもらえる店」を目指すこと
万人受けするお店になれば理想的ですが、正直難しいし、ハードリピーターは獲得しづらい。
「このお店は私のためにある!!」
と、思って貰えるくらいにターゲットに合わせた内装、サービス、商品、コンセプトの方がハードリピーターは獲得しやすく、方向性もブレにくい。
方向性がブレなければ、用意すべきもの、接客サービスの提供も分かりやすくなります。
「また来たい」と思わせるために必要な3つの要素
また来たくなるお店を作るには、ターゲットに合わせた
- ニーズに合った商品、サービス
- 心地よい空間づくり
- 個人に合わせた接客対応
を、用意できるかが重要です。
1、ターゲットがまた来たくなるのは「商品」が自分のニーズに合っているから
これは大原則ですが、商品がターゲットのニーズと合致していないと「また来たい」とは思ってもらえません。
例えばメインターゲットは「待ち時間が少なく食べれる美味しいラーメンを求めている人」だとしましょう。
今まではこだわりのしょう油ラーメン一種類で勝負してきましたが、他の味も食べてみたいという、一部のお客様の声を聴いてメニュー数を増やしたとします。
メニュー数を増やしたことによって、作る手間が増えたり、お客様が注文を迷う時間が増え、時間が増える。
結果、メインターゲットにとって「待ち時間が少ないところがいいところだったのに……」とリピートしなくなる。
……などといった感じです。
お客様の声にフットワーク軽く応えれるもステキですが、メイン客層の本音を取りこぼすと、結果的に売上悪化に繋がりかねないという一例です。極端な例ですが笑
2、ターゲットにとって心地よい空間の提供
ターゲットによって好みの空間は変わります。
- 薄暗い感じがいいのか、さわやかな感じが良いのか
- にぎやかなBGMがあった方がいいのか、無音の方がいいのか
- クラシックな感じの内装がいいのか、近代的でスタイリッシュな内装がいいのか
ターゲットの好みを深く理解して、内装の方向性を統一できると、そのお店独自の良さが生まれます。
また個人的な意見ですが、自分の好みじゃなくても、そういったコンセプトがしっかり伝わるお店は「あのお店面白いよ」と他の人に伝えたくなっちゃいます。
これも一例ですが、酒蔵をカフェにリノベーションして営業しているお店がありました。
食事も酒麹をつかったものがメインで、創業時からの歴史が感じられる木柱や酒樽のテーブルなど、お店に入った瞬間「うわ、面白い」と感じれる空間でした。
何かを突き詰めていくのは、話題性があるという意味でもメリットが大きいでしょう。
3、人によって変わる接客方法
ここからが難しいお話で……
人によって心地よい接客や、サービスの提供方法などは違います。
- 無駄話はせずテキパキ対応だけして欲しい人
- ちょっとした無駄話がしたい人
- きっちり礼儀正しい接客をして欲しい人
- 少し緩い接客をして欲しい人
など、好みは人それぞれ。
ここを見極めるのは経験が必要なので絶対的な正解はありませんが、コツを2つほど紹介します。
一つ目が、目を見て笑顔を向けた時の表情の変え方でタイプ判別する。
- 目を背ける人:基本的にコミュニケーションが苦手。もしくは嫌い、なので基本接客を徹底してテキパキ対応した方が無難
- 無表情だけど目は合う:自分に関心を向けてくれる人には関心を示すタイプな人の可能性が高い。接客7大用語以外の「こんにちは」といった一言を加えてみると、心を開いてもらうきっかけになりやすい
- 笑顔で返してくれる:プラスワントークがしやすい相手。話せるチャンスがあれば話をしてみてみると関係性が築ける可能性が高い。ただし、気を遣うタイプの人の可能性も高いので無駄話をしすぎると、笑顔で離れていくので要注意。
と、いったところです。
二つ目が、その人の『期待値』がどこにあるのかを意識すること。
例えばコンビニで麻婆豆腐丼を買った時に「お箸は必要ですか?」って聞かれますよね。普通。
そこで「お箸とスプーンどちらがいいですか?」って聞かれた気が利くーって思いますよね。え。私だけ?
これは期待値を超えているので、初めて言われた時は少し感動したんですよね。
こういった『期待値』を超える接客はお客様に感動与えます。
次の章ではこの『感動する接客』という部分の一例を紹介します。
また、基本の接客部分に関してはこちらの記事を参考にしてみてください⇒接客が上手い人が使う『人たらしな接客術』10のポイント!
期待値を超えた『感動する接客』
サービスに対して【満足】していただくのと【感動】していただくのには、天と地ほどの違いがあります。
- 満足レベルだと「また機会があれば行こう」
- 感動レベルだと「絶対また行こう!この感動を友達にも共有したい!」
と、いった具合に大きな差が生まれます。
接客で感動してもらうためには『期待値を超える』ことが必要。
有名な一例で、日本でトップであろう某テーマパークにて、とある夫婦がレストランで「お子様限定」のメニューを注文した時のお話です。
その夫婦はお子様限定だと知ったうえで、そのメニューをオーダーしました。
対応したスタッフさんはお子様限定のため提供はできない、と説明した上で、夫婦の表情を見て何か事情があるのでは?と声掛けをしてみることに。
すると、その夫婦は数年前に子どもを授かったけども、生まれることがなかった。そのまま育っていれば、ちょうどそのメニューを食べられるくらいの年齢だったので、つい頼んでみてしまった……ということを知る。
それを知ったスタッフさんは責任者に相談し、了承を得てメニューを提供することにしました。
……と、ここまでは、他のお店であっても対応できるところかもしれませんが、ここからが期待値を超える部分です。
対応したスタッフさんは、食事を全員分提供したあと、お子様用の椅子を一つ、夫婦のもとへ持って行き、二人の間に置きます。
「家族3人でゆっくり楽しんでいってくださいね」
この一言で、夫婦は号泣。
後日お礼の手紙が園に届くという感動のお話です。いや、泣ける……
と、極端な例の一つでしたが、これは『期待値』を大きく超えた接客の一例です。
「また来たい」から「この日に行こう」にさせる仕掛け
また来たいと思ってもらえても、実際に来てくれなければ意味がありませんよね。
そこで色々なお店がしているのが「囲い込み」です。
一度来てくれたお客さまを囲うために、会員サービスだったり、SNSアカウントの登録などに力を入れています。
個人的には色々使ってみて反応率が高いなぁと感じたのはLINE公式アカウントでした。(気になる方は公式サイトさんからこちらをどうぞ。ちなみに広告でもなんでもないのでご安心ください笑)
他のSNSサービスと違ってクーポンが発行できたり、顧客分析がしやすいので便利なんですよね。
InstagramやFacebookももちろん素晴らしいツールですが、クーポンの発行ができないので、囲い込みというより集客としての役割が強いかなぁといった感想です。
ただ公式LINEアカウントは登録者数が増えると有料プランに入らないと厳しくなるのがツライところなので、費用対効果は見てみてくださいね。
まとめ:リピートしてもらうためにはターゲットを絞る!
お客様に「また来たい」と思ってもらうには、お客様の心に深く刺さるあの手この手の準備が必要。
ながながと書いてきましたが、要点は、
- ターゲットを明確にする
- ターゲットの好みやニーズをしっかり理解する
- ターゲットのニーズに合わせた商品、環境を整える
- ターゲットに合わせた接客で心を掴む
- ターゲットがまた来たくなるよう囲い込みと情報発信をする
以上!!笑
って、言うのだけは簡単で、実際にするのはホントに難しいんですよね。
ただ、本当に狙った通りにお客様が反応してくれた時の嬉しさや楽しさは一度味わうと病みつきになってしまうので、ぜひ体験してみて欲しいです……!
良いお店になるよう応援しています!
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