【接客業から始まった人生:第9話】はじめての強行突破

はじめての企画案を無理矢理実行した私。

選んだ方法は地獄のワンオペ。

頭の中にオペレーションの流れはできていた。

あとは実行するのみ。

繁忙期の初日に、初企画のメニューを、自分で全てやるという無茶な選択。

でも、そんなに難しいことじゃない……と、前日までは自分に言い聞かせていました。

が、実際はそんなに甘くなかった。

準備も足りてなければ、休憩も取れない。

1日何をしていたか思い出せないほどの慌ただしさだった。

結果企画メニューは売れたのか。

売れた。

でも私は喜べなかった。

それはなぜか。

単に他のメニューが売れなくなって、新メニューが売れただけ。

事前告知や外部告知といったことが如何に重要かを、その時の私は全く理解していなかった。

結果としてお店にとってプラスな部分はなかったのだ。

しかも今思えば、自分は新メニューのことばかりに手を取られて通常メニューのことは他のスタッフさんに任せっきりになってしまっていた。

大失敗。

大変な思いをしただけだったのか。

一人気持ちが沈んだ。

でも、周りのスタッフさんは優しかった。

「よくこの状況を一人でこなしたね!」

「やり方が実際見れたから大丈夫!明日からは私たちも新メニュー対応するから!」

涙が出そうになった。

自分がいかに未熟だったのか。

苦い苦いデビュー戦だった。

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