【接客業から始まった人生:第4話】「え?大学行きたい?無理よ?お金ないよ?」

ちゃらんぽらんな私は高校3年の夏休みが終わるまで、何も考えず大学(もしくは専門学校)に自分は進むものだと思っていた。

普通ならもっと早くに進学先を決めるなり、就職するにしても職場を探すなり、何らかの行動をしているんだろう。

がしかし、そこはちゃらんぽらんな私。

何も考えちゃあいなかった。

親に「あんた高校卒業したらどうするん?」と聞かれて「え?大学いくんじゃない?」と答えると間髪入れずに親から「無理よ」という予想外の返答。

とはいえ、特に進学したかったわけでもないので「あ、そうなん?」とすんなり現実を受け入れた私。

もはや夏休みが終わった辺りから動いたところでどうにもならないと早々に諦め、とりあえずバイトを頑張ることに。

幸いにもバイト先は人に恵まれていて、上司も良い人ばかり。

正直学校よりも働く方が数倍楽しかった。

今思えば高卒で何の夢も目的もなくバイトしてればどうにかなるだろ、という浅ーーーい考えの高校生は、周りの大人たちからしたら心配でしか無かったでしょう。

でも、そこは素敵なバイト先。

「高卒店長くんのシフトが増えて助かるよ!」

笑顔で迎え入れてくれた。

頼られることが嬉しくて、接客も楽しくて、正直言って将来を悲観的に見ることはほとんどなかった。

仕事が楽しいから頑張る。

職場が好きだから遊び気分で残業も休日出勤も笑いながらやってた。

そうしているうちに、仕事をどんどん覚えていった。

気づけば他のアルバイトさんに指示出しするようになった。

そんなある日、マネージャーが「契約だけど社員にならない?」と声をかけてくれた。

社員になれることよりも、自分の存在価値を認めてもらえたことが、ただ単純に嬉しかった。

そもそも契約社員と正社員の違いなんてちゃらんぽらんな私にはわかるはずもなかった。

もちろん迷わず「お願いします!」と一言。

高卒で何のスキルもない、経験もない私を社員として迎え入れてくれた懐の大きな職場に今でも感謝しています。

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