部下の育成よりも【後輩の育成】のほうが難しいと感じる場面ってありませんか?
人材育成という意味では基本的に一緒です。
ですが、自分の責任で仕事の指示をだすことができる「部下」という立場と違って、「後輩」となると明確な権限の上下関係がないんで、微妙にやりずらい……
そんなときはどう考えればいいか。
失礼承知で結論から言うと【自分のバックアップを作っている】と思えば、少し気が楽になります。
仕事を割り振るのではなく、自分がしている仕事を伝えて理解してもらう。というスタンスですね。
後輩の育成に限った方法ではありませんが、具体的にポイントを紹介いたします。
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後輩指導は『自分の仕事の再確認』
どんなことでも同じだと思うんですが、何かを人に教えるときは、自分が正しく理解していないと教えることってできませんよね。
なので、だれかに何かを教えているときに「あ。あんまり気にしたことなかったけど、これって実はこうだったんだ」みたいな経験ありませんか?
そうゆう意味でも誰かに教えるというのは自分が持っている知識・スキルの再確認の場として活躍することもあるんです。
なかには「やりかた(答え)」だけ教えて「やる理由(工程)」を飛ばしてしまう人もいますが、根本を理解できていない人は応用が効かないことが多々あるので、こうゆう教え方は要注意です。
ということで、誰かに何かを教えるとき(引き継ぎなどもそうですね)に、普段からやっておくと便利だよ、というのが仕事の整理です。
基礎的なテクニックを簡単に紹介すると……
【スケジューリング】
仕事をするのにあたり、重要となるのが【期限の設定】。
期限を設定せずに仕事をしていると、多くのひとは先延ばししたり、業務内容が薄くなりがちなんです。まぁ僕のことなんですけど。
ということで、教えるときに課題を与えたりしますよね?
その時にマイルドな人だと「時間があるときでいいから、やってみておいて」なんて言っちゃうんですが、これだと「あ、別にやらなくても大丈夫なんだ」という印象を与えてしまい、非効率なことを避ける傾向にある現代では、いつまで経っても達成されない課題になりかねません。
なので、基本は【期限の設定】が重要です。
中間報告なども交え、提出期限などのスケジューリングをしましょう。
その時に自分が普段からスケジューリングを意識した仕事ができていれば、「こうやって期限に対して計画的にものごとを進めるスキルを覚えておくと便利だよ」と教えてあげることができるので、おすすめですよ。
【TODOリスト】
スケジューリングを更に細かくしたもので、「今日はこれとこれをやる」というリストを作成して、一日単位で仕事の課題を消化していく方法です。
「そんなの作った時点で満足して、結局使わないよ」
はい、使わなくてもできる人なら、もちろん使わなくてOKです。
ただ物忘れがひどい僕個人としては凄く業務効率があがった手法なので、紹介させていただきますと……
①仕事を細分化して完了までのスケジューリングを決める
あらかじめ細分化することで問題点の洗い出しもできるので、業務の完成精度があがります。
②1日単位で細分化した業務を予定していく
スケジュールにあわせて無理のないペースで遂行できます。
③業務が完了したら「できたよ」というマーキングで消していく
「自分はが頑張りました」という積み上げの結果が目にみえるので、ほんのりモチベーションがあがります。
副産物として残した履歴は後になって「あの書類はいつごろ出した?」みたいな上長からの質問にも答えるリストになるので、ときどき役に立ちますね。
【スケジューリング】も【TODOリスト】もそうなのですが、最近ではグーグルカレンダーなど無料で使える便利WEB機能があるので、どこからでも確認しやすいツールは積極的に使ってみましょう。
参考外部サイト:【よしづみコラボラボ様】Google ToDo リストの使い方 Google カレンダーやGmailとの連携でタスク管理を効率化
後輩の指導中に困った時に知っておきたいタイプ別対策
上手く伝わらない子がいる
伝えるときには、人それぞれに合ったアプローチ方法があります。
あります……が、正直なところ【正しくはマニュアル化】できません。
変に型にはめて相手の資質を判断すると失敗することが多いので……。相手とよくお話をして見極めていきましょう。
このあたりは、別記事で詳しいテクニックを紹介していますので、合わせて参考にしてみてください。
参考:部下の能力を引き出すスキル『コーチング』【現場経験15年の集大成】
【理屈的な発言が多く自分の理論を優先するタイプ】
論理的に順序を追って、深堀していきましょう。
「どうしてそう思うの?」という形で会話を続けていけば、本人の納得する答えが自分で出せるか、残念なことに矛盾している点がでてくるので、そこを追求していくと、本人の記憶に残り、成長に繋がります。
上手く周りと協力できるスキルが伸びれば、良きリーダーになるタイプですね。
【自己否定に走りやすく必要以上に落ち込むタイプ】
まずは責任感の強さを褒めてあげてください。
基本的に自分に自信がないので、自分で答えを見つけても行動に移す勇気がないことが多いです。
認めてあげることで自信を持ってもらい、行動するときには背中を支えることで、一歩目を踏み出せるので、徐々に【成功体験】を増やしていってもらいましょう。
成長すれば、そっと周りをフォローできる縁の下の力持ちタイプになります。
【何を考えているかわかりづらく、物事に無関心に見えるタイプ】
「これだと少し仕事量が多いかな?」を目安に仕事・課題をしてもらいましょう。
内なる闘気を持っているというパターンもあるので、まずはやってみてもらって、返ってきた反応に応じて、育成方法を考えるのがベターです。
ちなみに、溜め込んで急に「無理なんで辞めます」というパターンも往々にしてあるんで、ちょくちょく様子をみて、声掛けをこまめにすることが必要です。
黙々と遂行するタイプなので、専門的な分野で特化した実力を発揮することがあるタイプです。
【明るくモチベーションが高そうに見えるけど業務完成度が低いタイプ】
自分で答えを探させて実行させてあげましょう。
コミュニケーションに重きをおき、業務に関しては「言われたことをやろう」と精神的負担を避ける傾向にあるタイプです。
先に紹介している【理屈的なタイプ】と、ちょっと似ている方法になるのですが、「どうしたらいいと思う?」(微妙に問いかけ方がちがうのがポイントです)と、問いながら、正しいと判断した答えが返ってきた場合には「いいね、それでいこう」と促し、正しくないと判断した答えが返ってきた場合には「なるほど、でもそれってこうゆう問題があるんじゃないかな?」と方向修正をしてあげてください。いわゆるコーチングですね。
実力が伴ってくれば、周りをうまくまとめるムードメーカーになります。
「自分でした方が早い」はNGワード
物凄く気持ちはわかるんですが、一切成長につながらないどころか、仕事をさせてもらえないことによって、自信を失わせる危険性もありますのでご注意を。
また、仕事を任せようとするときに【丸投げ】になってしまわないよう、相手のレベル感にあわせた細分化はしてあげましょう。
じっと耐えてくださいね(笑)
後輩指導で心が折れる前に
後輩に限りませんが、人の指導・育成というのは、とても心に負担がかかります。
自分が良かれと思ったことも、先のことを見据えた上でのアドバイスも、伝わらず嫌な思いをすることが沢山あると思います。
指導担当になると忘れられがちですが、一番大切なことは「自分がつぶれない」ことです。
人材の育成も大事ですが、それに意識を向け過ぎて自分自身が抱えている仕事ができなくなったり、仕事に対するモチベーションが下がってしまっては、会社にとっても総合的にマイナスです。
まずは、伝わらなかった時に必要以上に自分を責めない。
次に、伝わらなくてもしょうがないと割り切る。
そしてやるだけやってもダメな時は、会社に相談する。
与えられた仕事を「できません」というのは勇気がいると思います。
ですが、自分が本当に後輩指導が原因で追い詰められているなら、限界を迎える前に、言葉にしましょう。
【余談】さとり世代の感覚とは?
「最近の子達の感覚がわからない」とやたらいわれるので。参考までに個人的感想をのべると20歳前後(記事作成時だと西暦2000年生まれ前後)の傾向は下記のような感じですね。
- 基本的に頭がよく優秀な人が多い
- 言われたことは大体できる
- 質問に対して及第点の答えが返ってくる
- 表に出さないけど強めの自尊心がある
- 大抵のことはどうにかなると考えている
- 良くも悪くも自然体
- 答えは知っているけど、答えに行き着くまでの工程にはあまり関心がない
7の部分が割とネックかなと思うのですが、インターネットですぐに答えが分かる時代なので、答えにいきつくまでの【考える時間】を非効率的なものだという考えが根底にあるのかなぁ、と思っています。
なので僕みたいに泥臭くやってきたタイプからすると、余分なものが削ぎ落とされスマートな振る舞いにみえる分、自分にはない判断の仕方なので「本当にわかってくれてるのかな?大丈夫かな?」という不安にかられるといった感じです(笑)
だいたいの子が1にあるように優秀なので、ただただ感心することのほうが多いんですが、中には「世間が発信している答えがこれで、自分は答え通りにやったのになにが違うんだ」という感じで、マニュアル化できない問題に直面したときに弱い子が多いのも否めないですね。
まぁあくまでも個人的な感想ですので、鵜呑みにしないでくださいね。
後輩のために、こうやって時間を割いて調べものができるなんて、良き先輩です。基本忍耐になると思いますので、ときどき息抜きしながら頑張ってください。
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