【ティーチング】とは簡単に言ってしまえば【教える指導方法】のこと。
「これはこうするんだよ」というやつですね。
そんな大層な名前をつけなくても……と、思うのですが、もう一歩先の教育スキル【コーチング】と使い分けをするために名付けていると思っていただければ良いかと思います。
ということで、基本的なんですが意外とできていない注意点を3つにまとめましたので、まずはそちらを紹介。
- 【答えだけ】を教えるのは×。必ず経緯の説明を
- 相手のレベル感に合わせないとモチベーションの低下を招く
- ティーチングのみでは早い段階で成長に限界がくる
それでは順に詳しく説明していきますね。
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【答えだけ】を教えるのは×。必ず経緯の説明を
仕事に限らず何でもそうなのですが【何かをするのには理由がある】はずです。
その理由を知らずに結果だけを教えてしまうと、理解度が浅いため、思わぬ不利益を招いたり、あとあと効率が悪い仕事をさせてしまうことになります。
経緯を説明しなかったがゆえに起こる不利益とは?
例えば『就業後にパソコンの電源を落として帰る』という、その職場における【答えだけ】を、新人さんに教えたとしましょう。
別段難しいことではないので、その新人さんも「あぁ、節電対策か」程度の認識でその仕事を覚えます。
でも1ヶ月ほど経ったある日、その新人さんがパソコンの電源を落とさずに帰ってしまっていたんですね。
理由は「朝一で急ぎの仕事があったから立ち上げの時間を短縮するため」
まぁ、電気代は少しかかるけど、業務効率の改善メリットの方が大きいだろうといった感覚なわけです。
ところが、問題はそんなに単純なものではなく、実はそのパソコンがシャットダウンされていなかったため、大切なアップデートができておらず、部署全体の仕事に影響するという、大変な事態になってしまった……という事例があります。
この場合でいうと「システムが特殊でちょくちょくアップデートがあるから、毎晩パソコンの電源を一回落として帰るんだよ」と、経緯の説明と答えの両方を伝えておけば防げた不利益でしょう。
やることは単純でも、その必要性は大きいことってありますよね。
少し極端な例かもしれませんが、こうゆう不必要なデメリットを招くこともあると知っておいて損はないと思います。
理解度が深まれば、副産物的なメリットが得られる
どんなことでも【理解度】というものが深ければ深いほど、汎用性が高くなりますよね。
先のパソコンシャットダウン事件(笑)を例にしていうと、『大切なアップデートがある』という認識があるため、『他のパソコンもついでにチェックして帰る』ということに意識が発展する可能性があります(このあたりは個々の能力にもよりますので、あえて可能性という表現にとどめています)
もし万が一、他のスタッフさんがシャットダウンを忘れるというミスが起きていたとしても、未然に防げるという副産物的なメリットが得られるかもしれません。
こういった意味でも【経緯の説明】は非常に重要な役割を果たしてくれるというわけですね。
相手のレベル感に合わせないとモチベーションの低下を招く
【ティーチング】とは、そもそも「相手がなにも知らない状態であるほど有効的」なものです。
逆を言えば『ある程度知識がある相手』に対しては、不必要……というか、むしろ不快感を与えてしまうこともあるんです。
まぁ、極端な例でいうと「トイレが終わったらまず手を洗ってください」とか、社会人になって説明されたら「言われなくてもするわっ!」って、なりますよね?
それと似たような感じです。はい。
相手にとって「それくらい分かってる」という内容に関しては、基本的に伝え方を意識する必要があります。
経験者に対しては「知ってることかもしれないけど、基本的な確認部分と思って聞いておいてね」くらいにワンクッション置いて説明を続ける方が、プライドを傷つけなくて済みます(業務に支障をきたすレベルでプライドが高すぎる場合は、別で対策を考えましょう)
ちなみにこのパターンが多いのは『年上の新人』『転職組』などですね。
常に相手に対する【敬意】は忘れないよう心がけるのが大切です。
ここでのポイントは言い換えれば【相手の自尊心を満たす】ことが大切になってきますので、よくよく相手のレベル感を意識してみるようにしてください。
ティーチングのみでは早い段階で成長に限界がくる
【ティーチング】では、【自分が知っていること】しか教えることができません。
言い換えれば、自分以上のレベルには育てることができないと言ってもいいでしょう。
また、ティーチングのみでは、成長の速さは遅いということも合わせて知っておいてください。
仕事ができる人を育てる第一条件は【考えるクセ】を持ってもらうこと。
ティーチングは、基本的に【受動的】な仕事のさせかた(言い方悪くてすみません)ですので、【能動的】な仕事のさせかたをするためにはコーチングスキルが必要です。
では、どういった感じかというのを、簡単な会話例で紹介しますね。
上司「このパソコン、帰るときに必ずシャットダウンして帰ってね(ティーチング)」
新人「はい、わかりました」
上司「さて、問題です。なぜシャットダウンが必要なのでしょうか(コーチング)」
新人「え……?節電のためじゃないんですか?」
上司「残念。実は特殊なシステムが入っていて、シャットダウンして帰らないとアップデートができないんだよ(ティーチング)」
新人「へー、そうなんですね」
上司「そうなんです。では、アップデートができてなかったらどうなると思う?(コーチング)」
新人「システムが使えないんで、仕事にならないです」
上司「そうなんだよ。前に俺シャットダウンせずに帰ってさ。次の日大変なことになったんだよ……。どんなことでも理由があるっていう例だね。だから君は俺と同じミスをしないよう、気をつけてね」
お前が犯人かい。という会話例ですね。
何気ない会話のように見えますが、そのなかには【ティーチング】と【コーチング】が活用されています。
上手に使い分けて、人材育成スキルを磨いてくださいませ。
以上が【ティーチング】に関しての注意点紹介でした。
もっとテクニカルなことを知りたい方には、コーチングに関する別記事を参考にしてみてもらえると嬉しいです。
参考:部下の能力を引き出すスキル『コーチング』【現場経験15年の集大成】
それではまた。
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