ビジネス書を読む自分に酔いしれていた20歳の私。
色々な働き方、考え方に触れているうちに、ふと思う。
「今の仕事ってこれでいいのかな?」
今思うとおこがましいにも程がある、生意気過ぎる考えだが、職場の方針ややり方に不満を感じてしまった。
もっとこうすればいいのに。
こんなんじゃだめだ。
と。
ちゃんと運営や管理のことも知らないくせに、社会を知った風に勘違いしてしまった私。
あれやこれやと考えて、売上を上げるためには、こんな新商品が必要だ、とチーフに直談判した。
そこは優しいチーフ。
若輩者兼ポンコツな私の意見を「やってみていいよ」とひとこと。
意気揚々と新商品を作り、パートの皆さんにオペレーションを落とし込み。
「いや、忙しい時にこれは無理よ」
お局マダムが言った。
今考えれば、その通りよマダム。
全く今までにない作業工程が入れば現場は混乱する。
でも、その時の私に【退く】という選択肢は選べなかった。
選べるほど柔軟性も経験もなかった。
ここで退いたら自分の間違いを認めることになる→そうなればまたマダムに「ほらやっぱり未熟な坊や」とバカにされるかもしれない
そんな思考回路しか持ち合わせていなかった。
「じゃあ自分がオペレーション全部やるんで販売させてください」
もう、意地だった。
全部自分だけでするんならどうぞ。という回答だった。
やるしかない。
結果でみせるしかない。
接客、オーダー、調理をこなすという過酷な戦いが幕を開けた。
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